【MUBI】『真赤なスパイス』赤唐辛子に同化しステルス度100%

真赤なスパイス(1987)
MIRCH MASALA

監督:ケータン・メータ
出演:ナカルディン・シャ、スミタ・パーティルetc

評価:80点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

MUBIでインド映画が大量に配信終了となるので、滑り込みで『真赤なスパイス』を観ました。唐辛子の海に身を潜める画に圧倒されて観たのですが、これが非常に面白いエンターテイメント作品でありました。

『真赤なスパイス』あらすじ

In colonial India, tax collectors went from village to village with soldiers, often demanding way more than taxes. When one such tax collector sets his eyes on the fierce Sonbai, she takes refuge in a pepper factor, eventually leading to the oppressed women of the village finally speaking up.
訳:植民地時代のインドでは、徴税人が兵士を連れて村々を回り、しばしば税金以上のものを要求した。そのような徴税人が、獰猛なソンバイに目をつけ、彼女はスパイス工場に避難し、やがて村の抑圧された女性たちが声を上げるようになる。

※MUBIより引用

赤唐辛子に同化しステルス度100%

植民地時代のインド。女性たちが水を組んでいる前に税金取り立て人のスーバダール(ナカルディン・シャ)が兵士携え現れる。女性たちが逃げ惑う中、ソンバイ(スミタ・パーティル)は彼の前にたち憚る。ドMなのか?スーバダールは彼女に興味を示し、跪き、彼女の甕から下品に水をすする。

彼は傲慢な男だ。テントに踏ん反り返り、人々に蓄音機を自慢する。召使いがうっかりレコードを落として怖そうものなら、人々の前でボコボコにする程、プライドも高い。

そんな彼の猛攻に対して、市民は用心棒アブミアン(オムプリ)と共にスパイス工場に籠城しカウンターを試みる。

狭い場所に籠城して敵を返り討ちにしたり、スローモーションの中銃撃や暴力を強調していく部分は明らかに『七人の侍』や『ワイルドバンチ』から影響を受けている。名作からの作劇技法を引用しつつも、インド独自の味に翻訳されており、視覚的面白さが全編に渡ってまぶされている。

何と言っても赤唐辛子工場に逃げる過程で、赤いスカーフに身を包んだ女性が赤唐辛子の山に擬態する場面は圧巻だ。国際映画祭でよくみかける表面的なオリエンタリズム刺激映画に陥ることなく、ヴィジュアルの面白さを探求しているところが好感持てる。

インドのクラシックアクション映画といえば、『炎』が有名ですが『真赤なスパイス』も必観と言えよう。

※MUBIより画像引用

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