2021映画

【ネタバレ】『リカ ~自称28歳の純愛モンスター~』上から来るぞ!気をつけろ!

高岡早紀主演で2019年10月に「リカ」、21年3月に前日譚「リカ リバース」が放送されたドラマシリーズの劇場版。五十嵐貴久のサイコスリラー小説「リカ」シリーズを原作に、19年版ドラマ最終回のその後が描かれる。山中でスーツケースに入った本間隆雄の死体が発見された。本間は3年前に逃走犯の雨宮リカに拉致され行方不明になっていた。警視庁捜査一課の奥山次郎は、潜伏中のリカをおびき寄せるため、偽名を使ってマッチングアプリでリカを探し出すことに成功するが、次第にリカにのめり込んでいく。奥山の婚約者でリカを追う警察官の青木孝子は、捜査に平行し、リカにのめり込んでいく奥山を心配し、先輩の梅本尚美とともに奥山の部屋へと向かうが……。リカ役を高岡が演じるほか、奥山役を市原隼人、青木役を内田理央、梅本役を佐々木希がそれぞれ演じる。

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【ネタバレ考察】『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』メルヴィル、ザラーにならないように、うっかり殺めないように

暴力は突発的に起きる。突発的な暴力に支配された世界では、殺しは静かにやってくる。冒頭、夜の繁華街で襲われる女。すると突然、暴力漢の脳天が撃ち抜かれる。場面は切り替わり、公園でヤクザのような人が犬を連れて話していると、これもいきなり突然死する。車では、怯える女を連れて男が車を走らせようとすると、何者かに首を掻っ切られる。そのまま激しいカーレースとなり、岡田准一演じるファブルはトム・クルーズさながらの曲芸を魅せつける。息を呑むようなアクションはハリウッド大作を観ている気分にさせられ、これだけでこの映画の勝利は確約されている。このドライで、大胆かつ厳格なショット捌き、語りではなくアクションで映画を語ろうとする職人芸はジャン=ピエール・メルヴィル、S・クレイグ・ザラーを彷彿とさせる。

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【ネタバレ考察】『ヒノマルソウル』から観るプロパガンダ映画論、或いは想像したくない東京五輪

まず、1994年リレハンメルオリンピックでの場面。街中のディスプレイ前に群衆が集まる。その中で、原田雅彦(濱津隆之)は痛恨のミスで金メダルを逃す。群衆が、一斉にヤジを飛ばす。記者会見のシーンでは、必死に震えを押さえ込み苦笑いする原田に記者が圧をかける。このシークエンスにより、金メダル獲得がいかに日本にとって重要かが観る者に刷り込まれる。そして数分に一度「金メダル」という単語が発せられ、いく先々で金メダルが取れないことによる呪いを向けられる。この積み重ねにより、終盤誕生するパワーワード「ヒノマルソウル」に熱が宿る。

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【 #サンクスシアター 17】『あいが、そいで、こい』昭和の尾を引く平成の青き夏

「カメラを止めるな!」を生み出した映画専門学校「ENBUゼミナール」のワークショップ「シネマプロジェクト」の第8弾で製作された2作品のうちの1作。短編「ひとまずすすめ」が国内の多数の映画祭で受賞を果たした柴田啓佑監督が、ある海辺の田舎町を舞台に、それぞれの問題を抱える男子高校生たちが、イルカの調教師を夢見る留学生と出会ったことから始まる、夏の初恋の物語を描いた。2001年の夏、海辺の田舎町に住む高校生・萩尾亮は、同級生の学、小杉、堀田ととも高校最後の夏休みを過ごすことに。そんなある日、イルカの調教師を目指して台湾からやってきたという留学生の少女リンと出会った亮だったが、イルカと海が大嫌いな亮はリンと対立してしまい……。

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【ネタバレ考察】『ティングラー/背すじに潜む恐怖』ウィリアム・キャッスルWho Are You?

ウィリアム・キャッスルが「世にも奇妙な物語」のタモリのように登場して、「叫びはショックを軽減させる。だから時が来たら叫ぶのです。ビリビリとしたものが来るかもしれない。そうしたら叫ぶのです。」と語る。実は、本作は劇場の一部が電気椅子となっており、怪物ティングラーが現れると電気ショックが発生するのだ。そして観客に叫ばせることでチープな怪物ティングラーに魅力を与えようと試みている。

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【 #サンクスシアター 15】『5windows eb(is)』リベラシオンを読みながらポッキーをパクパクする女

『5windows』から4年後、恵比寿映像祭において制作した『5windows』の恵比寿編。恵比寿ガーデンプレイスのセンター広場などでインスタレーションとして展示された「5windows eb」「5windows is」の二つの作品を再編集したもの。東京、恵比寿で、中村ゆりかと染谷将太とともに、また別の物語を描く。