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【毎週インド映画5】『PK』アーミル・カーン主演!多宗教が世界を救う

公開日: : 最終更新日:2018/09/28 2018映画 , , , , , ,

【毎週インド映画5】『PK』アーミル・カーン主演!多宗教が世界を救う

PK(2014)


監督:ラージクマール・ヒラーニ
出演:アーミル・カーン、アヌシュカ・シャルマ、
スシャント・シン・ラージプートetc

評価:75点

会社の海外営業部の方から、「泣ける洋画と邦画1本ずつ、それも重くないヤツを次回の飲み会で教えて」と依頼を受けました。「重くない且つ泣ける映画、んなもんあるかよ!」とツッコミを入れたくなる。しかも相手が最近観た中で良かった映画が『北の桜守』、『祈りの幕が下りる時』と聞いて、「ヤバい、私の好みの真逆をいっている。これは適切なソリューション提案は難しいぞ!」と頭を抱えた。そんな中、インド映画で素晴らしい作品と出会った。その名も『PK』。今日はこれについて語っていく。

『PK』あらすじ

挙動不審な動きをすることから、街ゆく人々に《酔っ払い(=PK)》と呼ばれている宇宙人は、故郷に帰るためのリモコンを探していた。神様に会えば願いは叶うと知ったPKは、ヒンズー教、仏教、キリスト教と次々に宗教を試していく。そんな彼をテレビ局の女性ジャグーは追うのだが…

多宗教のススメ

我々日本人はよく無宗教だと言われるが、そんなことはない。天皇誕生日は休むし、クリスマスは祝う、お正月は初詣に行き、人によってはイースターやハロウィンを本場以上に楽しむ。様々な宗教のいいとこ取りをする多宗教な民族なのだ。

もう、多宗教に慣れてしまっている日本人にとって本作は『ライフ・オブ・パイ』さながらの親近感と驚きを与えるだろう。

酔っ払い=PKと名付けられた宇宙人が、故郷に帰るリモコンを探しにインドを東奔西走するという内容。Mr.ビーンさながらの目力と挙動不審さで非常識を振りまく滑稽さは爆笑ものだ。

しかし、コメディの仮面の裏には、宗教についての深い洞察がある。PKは、神に会えばリモコンをゲットできると思い、片っ端から宗教を試しては捨てを繰り返すのだ。

インドには、ヒンドゥー教、ジャイナ教、仏教、イスラム教、キリスト教など様々な宗教があり、民族も多様だ。

PKは、宗教を学ぶ度に常識と徳を積んでいく。そして、無意識のうちに神のように志の高い存在になっていく。

まるで、インフィニティ・ストーンを集めるサノスのように。

宗教は、人々に倫理観を与える。調和をもたらす。しかし、一つの宗教に固執すると、それは鋭利な武器になる。だからこそ、様々な宗教を学び受け入れるべきだと本作はメッセージとしてうちだしている。本作は、宗教の坩堝であるインドで、大作として作られ、インドだけではなく全世界の歴代興行収入1位に輝いた。

本作は、映画でもって世界を平和にしようとした徳の高い作品と言えよう。

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