【東京フィルメックス】『あなたの顔』もしも、ツァイ・ミンリャンがfacebookを創設してたなら

あなたの顔(2018)
Your Face

監督:ツァイ・ミンリャン
出演:Kang-sheng Lee,ツァイ・ミンリャンetc

評価:30点

連日通い詰めの東京フィルメックス最後に観た作品はツァイ・ミンリャンの実験アート映画『あなたの顔』だった。

『あなたの顔』あらすじ

おじいさんやおばあさんの顔に注目した実験映画

もしも、ツァイ・ミンリャンがfacebookを創設してたなら

いきなり、婆さんのどアップが眼前を覆い尽くす。婆さんが目をキョロキョロさせ、全く展開を見せない。成る程、これは観客とツァイ・ミンリャンがにらめっこ対決する参加型映画らしい。

そして、、、寝ました。10分も経たないうちに深い深い眠りにつきました

、、、、、睡魔の彼方、、、無意識の彼方で声がする、、、ブンブンを睡魔の淵から引き上げようとする、、、んベロ、、、ベロベロ、、、段々と声が鮮明にブンブンの脳裏に木霊する。なんだこの声のような、ただの音のようなものは?人工音ではなさそうだ。ブンブンはそっと目を開ける。すると、眼前に婆さんがベロベロをひっきりなしに動かし

んベロベロベロべー

とアクションしている様が飛び込みました。思わず爆笑。ブンブンは1つの映画で2度ツァイ・ミンリャンに敗北しました。

気を取り直して、再び向かい合う。今度は爺さんが今にも寝そうな姿が映し出される。なかなか寝ない爺さん。寝たか?寝たか?ともどかしい。そして、やったー!寝たぞと思うと「残念でした」と言わんばかりに爺さんが飛び起きます。ツァイ・ミンリャン意地悪過ぎるぞ。

そして、そこからは爺さん婆さんの顔だけを映すパートとインタビューパートに分かれていく。

成る程、これはツァイ・ミンリャンのfacebookなのか!

facebookは饒舌に自分のプライベートを語る者や、ただアカウントだけ作って放置プレイするもの。自撮り写真をアップするだけの者がいたりする。この映画の歪な多様性は、facebookの世界を映画の世界に置き換えているのではと推測できる。

しかしながら、やはりこの映画はあまりにも軸がブレブレでキレがない。かつてアンディ・ウォーホルがエンパイア・ステート・ビルディングが寝ている人を延々と撮った映画を発表し、動く絵画という新しいアートの形を生み出した。

あれから半世紀近く経ち、顔のどアップを魅せつけるのは陳腐だ。まだ、それだけならデジタル時代におけるウォーホルのリメイクとして評価できた。しかしながら、本作はインタビューパートがノイズになってしまっている。

営業の仕事サボってパチンコに行った垢の他人のどうでもいいエピソードのニーズは果たしてあるのだろうか?

また、《顏》に執着する映画なのに、無の空間を映すとはどういう意味なのだろうか?それはfacebookではないinstagramだ!と言いたい。

結局のところ、実験アート映画として軸がブレまくった自己満足映画にしか見えなかった。

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