*

【東京国際映画祭】「男子高校生の日常」松居大悟節炸裂の傑作

【東京国際映画祭】「男子高校生の日常」松居大悟節炸裂の傑作

男子高校生の日常(2013)


監督:松居大悟
出演:菅田将暉,吉沢亮,
野村周平,栗原類etc

評価:75点

東京国際映画祭のシーズンがやってきました。今年の日本映画スプラッシュ部門の注目作として「アズミハルコは行方不明」の松居大悟が撮ったワンカット映画「アイスと雨音」がある。ブンブン、残念ながらスケジュールが合わず行けず哀しくて、Netflixを漁っていたら、彼の「男子高校生の日常」がアップされていた。

「男子高校生の日常」とは山内泰延の日常系ギャグ漫画が原作であり、あらゐけいいちの「日常」に対抗してか、男子高校生のライフスタイルをリアルに描いている。それを松居大悟はどのように調理したのだろうか…

「男子高校生の日常」あらすじ

男子校真田北高校に通うタダクニ、ヒデノリ、ヨシタケはテスト期間中だというのにダラダラとした生活を送っていた。そんなある日、近隣の女子校と合同で文化祭を行うことが決まり…

「セトウツミ」に近い会話劇の妙

漫画原作ものの映画化アプローチは大きく分けて二つある。一つ目は、原作を忠実再現するというもので、三池崇史の「ジョジョの奇妙な冒険」が該当する。一方、「亜人」のようにストーリーや設定を少し踏襲し、残りは監督の作家性で描くスタイルがある。後者は原作好きに嫌われるリスクが高い(元々、漫画原作モノは叩かれがちだが…)のだが、この「男子高校生の日常」は後者を取っている。

アニメや漫画の代表的な、下校時茶番RPGの舞台を廊下に移していることから、松居大悟の「俺の映画」にしてやろうという気概が伝わってくる。そして、上記で原作は「男子高校生のライフスタイルをリアルに描いている」と語っているが、それ以上にリアリズムを出している。

佐藤二朗扮する先生以外は、非常に自然体で淡々と高校生の日々が描かれていく。テスト期間中、部屋に野郎が集まり勉強するがすぐに集中力が切れて、ボーイズトークを始める感じ。男子高校生がコンビニで女子高生に遭遇したときの気まずそうな態度。まだ、菅田将暉,吉沢亮,
野村周平が大スターになる前だからか、異様にリアルだ。

映画版だからといってドラマチックな展開が起きるわけではない。ただ、テスト期間と文化祭という高校生にとってどこかソワソワしてしまうビッグイベントの高揚感が画面を包む。この何もないんだけれども独特のリズムが観客を惹き込む感じは「セトウツミ」に近い。

確かに、本作はインディーズ映画の撮られ方をしているので、原作好きやインディーズ映画、それもインディーズ邦画の文法になれていないと退屈かもしれない。しかしながら、退廃な日々にノスタルジーを抱く、あなたのくだらなくも大切にしたい思い出を心の奥から引き出してくれる作品でした。

TIFFで観た映画レビュー

その他上映作品とレビュー

映画祭以外で鑑賞

「牯嶺街少年殺人事件」レビュー
「怒り」レビュー
「フロッキング」レビュー
「シン・ゴジラ」レビュー
「キングコング対ゴジラ」レビュー
「TOO YOUNG TO DIE!」レビュー
「ハッピーアワー」レビュー
「ダゲレオタイプの女」レビュー
「リップヴァンウィンクルの花嫁」レビュー
「バケモノの子」レビュー
「オデッセイ」レビュー
PFFアワード2016 グランプリ作品
「食卓」レビュー

「淵に立つ」レビュー
「誕生のゆくえ」レビュー
「名誉市民」レビュー
「プールサイドマン」レビュー
「七日」レビュー

TIFF2016で観た映画

「7分間」レビュー
「ノクトラマ」レビュー
「メコン大作戦」レビュー
「ブルーム・オブ・イエスタディ」レビュー
「アクエリアス」レビュー
「シエラネバダ」レビュー
「メッセージ」レビュー
「ミスター・ノー・プロブレム」レビュー
「あなた自身とあなたのこと」レビュー
「痛ましき謎への子守歌」レビュー
「鳥類学者」レビュー
「パリ、ピガール広場」レビュー
「オリ・マキの人生で最も幸せな日」レビュー
「ミュージアム」レビュー
「14の夜」レビュー
「クラッシュ」レビュー

TIFF2015の作品レビュー

2015年グランプリ作「ニーゼ」レビュー
「ケンとカズ」レビュー
「シュナイダーVSバックス」レビュー
「フル・コンタクト」レビュー
「ヴィクトリア」レビュー
「ルクリ」レビュー
「コスモス」レビュー
「ビースト・オブ・ノー・ネーション」レビュー
「ヒトラーの忘れもの」レビュー
「ぼくの桃色の夢」レビュー
「IF ONLY」レビュー
「灼熱」レビュー
「さようなら」レビュー
「FOUJITA」レビュー

ブロトピ:映画ブログ更新
ブロトピ:映画ブログの更新をブロトピしましょう!

関連記事

「美女と野獣(2017)」ディズニーがコクトー版に愛を捧げた!?見事な脱構築ファンタジー

美女と野獣(2017) Beauty and the Beast(2017) 監督:ビル・コ

続きを読む

【『ペンタゴン・ペーパーズ』公開記念】『フォッグ・オブ・ウォー』から観るマクナマラの素顔

フォッグ・オブ・ウォー マクナマラ元米国防長官の告白(2003) THE FOG OF WAR:

続きを読む

【ハル・ハートリー クラウドファンディング応援!】「シンプルメン」はDON’T MOVEで始まる

ハル・ハートリー クラウドファンディング始めたってよ! アメリカ・インディペンデント映画を代表する

続きを読む

“Ç”ブンブン映画ランキング2015家洋画部門、1位はベルイマンの幻カルト作品

ブンブン映画ベストテン2015家洋画 今年はあんまり洋画の旧作を 観られなかったと感じている

続きを読む

【ジョナサン・デミ追悼】「メルビンとハワード」PTAべた惚れの傑作

メルビンとハワード(1980) Melvin and Howard(1980) 監督:ジョナ

続きを読む

【ネタバレ解説】『マザー!』日本の配給会社が公開を諦めた!アロノフスキーが描く”アレ”

マザー(2017) MOTHER!(2017) 監督:ダーレン・アロノフスキー 出演:ジェ

続きを読む

【ネタバレ】「ドクター・ストレンジ」深みがない「魔法少女まどか☆マギカ」(VFXは10兆点!)

ドクター・ストレンジ(2016) Doctor Strange(2016) 監督:スコット・

続きを読む

【酷評】「アウトレイジ 最終章」好きな北野武映画なのにブンブンが非常に退屈してしまった理由

アウトレイジ 最終章(2017) OUTRAGE CODA(2017) 監督:北野武 出演

続きを読む

【ホン・サンス特集】「自由が丘で」これは加瀬亮版「ラ・ラ・ランド」であり「メッセージ」だ!

自由が丘で(2014) 자유의 언덕(2014) 監督:ホン・サンス 出演:加瀬亮、ムン・

続きを読む

「おとなの恋の測り方」の元ネタ「ライオンハートCorazón de León」を観てみた!

ライオンハート(2013) Corazón de León(2013) 監督:Marcos

続きを読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

【重要なお知らせ】サーバー引っ越しに伴う画像が見えない件

先日、ブログ記事「【悲報】ココマルシアター初回「マイ・ビューティフル・

【自己紹介】チェ・ブンブンってナニジン?

チェ・ブンブンとは? 社会人1年目の映画オタク。 年間500本、映

【MUBI】『天使の復讐』は『シェイプ・オブ・ウォーター』の100倍面白い

天使の復讐(1981) Ms.45(1981) 監督:アベル・

『ラジオ・コバニ』シリア 半端ないって※アップリンクで上映中

ラジオ・コバニ(2016) RADIO KOBANI(2016)

【 #ワールドカップロシア2018 】ブンブンが選ぶ必見セネガル映画5選!

【 #ワールドカップロシア2018 】ブンブンが選ぶ必見セネガル映

【7/21公開記念】『暗殺のオペラ』ヴィットリオ・ストラーロの準備運動

暗殺のオペラ(1969) Strategia del ragno(1

【デプレシャン特集4】『魂を救え!』アンドレ・バザンに捧げられた一本?

魂を救え!(1992) LA SENTINELLE(1992)

さらに過去の記事

PAGE TOP ↑