【金熊賞】「私の、息子」ルーマニアのこの親ばか映画がヤバイ!

私の、息子(2013)
POZITIA COPILULUI/
CHILD’S POSE(2013)

監督:カリン・ペーター・ネッツァー
出演:ルミニツァ・ゲオルギウ,
ボグダン・ドゥミトラケ,
イリンカ・ゴヤetc

評価:80点

2000年代以降、ルーマニア映画が国際映画祭で注目されている。「4ヶ月,3週と2日

」、「エリザのために

」のクリスティアン・ムンジウ、「シエラネバダ

」のクリスティ・プイウ等々、いずれもほの暗い水色を基調とした色使いで陰鬱なストーリーを展開している。

今回Netflixで観た「私の、息子」はベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞した作品。例に漏れず陰鬱な作品でしたぞ…

「私の、息子」あらすじ

息子が交通事故で子どもを殺してしまった!親ばかなオカンは、なんとかして息子が刑務所にいってしまうのを防ごうと、警察や目撃者を賄賂等で説得していく。しかし、息子はそんなオカンにうんざりし軋轢が軋轢を生むのだった…

親ばか映画の真骨頂!

息子が交通事故で、他人の子どもを殺してしまう。日本なら「一生償います」で色んな意味で終わるのだが、本作はなんとオカンがなんとかして息子を刑務所に入れまいと、警察に交渉したり、目撃者を買収しようとする。観客は、本作を観てドンビキするだろう。「えっどんだけ親ばかなんだ」と。

ただ、コレはもしかするとルーマニアの文化なのかもしれない。「エリザのために」もそうだったのだが、やたらと近所館系、家族の絆が重要になってくる。「困っている人は助けよう」「皆で汚職しよう」というある種、社会主義国家だった名残を感じさせる。それ故に、集団で犯罪を全力でもみ消そうとする不気味さが際立つ。

なんたって、本作のオカンは一切被害者家族に対しての謝罪の「しゃ」の字もないのだ。被害者家族に対面しようなら、慰謝料を渡すシーンがあるのだが、謝罪の気持ちは微分たりもなく、あくまで「私の心が休まるように」とベクトルが自分に向いているではありませんか。被害者家族もあまりの哀しさに泣くしかできないのだが、怒って良いんだぞといいたくなる。

どこまでクソ野郎なんだ。グーパンしたくなるオカンの愚行に唖然とさせられる一本でした。

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