オールタイムベスト

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51位:プレイタイム(1967)
PLAYTIME

監督:ジャック・タチ
出演:ジャック・タチetc

フランスの寅さんことユロ氏が現代社会を彷徨うシリーズの一つにして、本気を出しすぎてジャック・タチが破産しかけた問題作。洗練されたアーキテクチャーの中を彷徨うユロ氏の姿から、近代化しすぎて一昔前の人間にとっては逆に生き辛い世界がよく分かる。近代化の不便さ、今やもうその不便さはおじいさんでないと分からないであろうと思っていたのだが、本作を観ると、その不便さがブンブンにも分かる。

52位:荒野の千鳥足(1971)
WAKE IN FRIGHT

監督:テッド・コッチェフ
出演:ゲイリー・ボンド、
ドナルド・プレゼンスetc

誰も襲ってこないし、むしろ優しいのになんでこんなにも怖いのか?『ランボー』の監督が描く、ホラーヴァカンス映画。シドニーに住む恋人に会いに、オーストラリアのど田舎から旅に出る。しかし、途中の街で足止めを食らって、酒を飲んで飲んで飲みまくる羽目になる。なんであんなに不味そうなビールが美味そうに見えるんだ?この白昼夢に足がガクガクと震えた。

53位:ブロンド少女は過激に美しく(2009)
SINGULARIDADES DE UMA RAPARIGA LOURA

監督:マノエル・ド・オリヴェイラ
出演:リカルド・トレパ、カタリナ・ヴァレンシュタインetc

ポルトガルの巨匠が100歳にして放った童貞映画。通常童貞映画は監督の想いが強く反映されるので、A to Zまで語られるが、本作は60分ぐらい、A to Qぐらいまでしか語られない。そこには100歳まで熟成させてきた薫りを感じる。熟成されたポートワインのような薫り高い、味わい深い味にポッと顔を赤らめる。至高のデザート映画と言えよう。

54位:エルマー・ガントリー 魅せられた男(1960)
ELMER GANTRY

監督:リチャード・ブルックス
出演:バート・ランカスター、ジーン・シモンズ、ディーン・ジャガーetc

男サークルクラッシャー映画の元祖。口達者な男が、流離うように村に潜入し、人々を惑わす。広大な土地を転々とするアメリカならではの物語、西部劇になり得そうな話なんだけれども、西部劇というジャンルを超えて、自分の居場所を求める人が環境を壊してしまう侘しさが描かれている。町山智浩曰く『ザ・マスター』の原型ということで、どうりで惹かれた訳だと感じた。

55位:ウイークエンド(1967)
WEEK END

監督:ジャン=リュック・ゴダール
出演:ミレーユ・ダルク、ジャン・ヤンヌ、ジャン=ピエール・カルフォンetc

正直、どんな映画か?どんなメッセージが込められているのか?と訊かれても分からない。ただ、横転する自動車、ゴダールお得意の文字アート、そして湖のほとりで奏でられるバンド。全てで最高にCOOLで、もし映画を撮るなら真似をしたいと思う映像しかなかった。こうも実験的なのに、永遠と観てられる。こんな映像を撮れるのはゴダールだけかもしれない。

56位:悪魔の発明(1957)
VYNALEZ ZKAZY

監督:カレル・ゼマン
出演:ルボル・トコシュ、ミロスラフ・ホロップetc

チェコの特撮王、カレル・ゼマン最高傑作。エッシャーのような絵の中で、人々が動く!チェコの特撮ミュージアムで、カレル・ゼマンを知り、現地のDVDショップで本作のDVDを買った。そして観てみたら、「どうやって撮ったの?」という驚きに満ち溢れていた。童心に返ったように、特撮の面白さに魅了された。それにしてもジュール・ヴェルヌ原作ものにハズレはないなー

57位:キートンのセブン・チャンス(1925)
SEVEN CHANCES

監督:バスター・キートン
出演:バスター・キートンetc

キートンのスタントは、ジャッキー・チェンやトム・クルーズの原点!あまりにどうかしたアクションの連続にハラハラドキドキしっぱなし。そして、A lot of 花嫁が全力疾走でキートンを追いかける様子の怖面白さに腹筋が崩壊しました。100年近く前の作品なのに、色褪せない面白さがある。

58位:SRサイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者(2012)

監督:入江悠
出演:奥野瑛太、駒木根隆介、水澤紳吾etc

最近の入江悠監督作品は苦手なんだけれども、彼が音楽映画を撮っていた時代はキラキラと輝いていた。サイタマの田舎町から飛び出した男。仲間を故郷を裏切った男と、裏切られた男たちこの二人が思わぬ形で巡り会う。地獄と天国が交差し訪れる超絶長く芸が細かい長回し、そこで再び友情が共有結合しガッチリ離れなくなる様に涙した。1作目から愛していたことを誇りに思うシリーズ集大成である。

59位:君の名前で僕を呼んで(2017)
CALL ME BY YOUR NAME

監督:ルカ・グァダニーノ
出演:アーミー・ハマー、ティモシー・シャラメ、
マイケル・スタールバーグetc

ゲイ映画だと単純化しないで…本作は、一人の男が理性でもって本能的恋心を斬り捨て、何十年も心に後悔を抱き、老年になってようやく赦す話。つまりは失恋に囚われた者が、自分を赦し自分を愛するようになるまでを描いた話だ。失神しそうなほどに美しいオープニング、繊細なピアノの旋律、イタリア語、英語、ドイツ語の囁くような台詞に終始涙しながら観ていた。

60位:ひとりぼっちの青春(1969)
They Shoot Horses, Don’t They?

監督:シドニー・ポラック
出演:ジェーン・フォンダ,
マイケル・サラザンetc

24時間テレビでサライが流れる裏で観たいトラウマ映画。賞金をかけて行きずりの二人がダンスマラソンに挑戦する。最後の一人になるまで延々と走らせられる地獄。1時間、1日、1週間経てども一向に減らない挑戦者に絶望する。しかし、シドニー・ポラック監督は最後の最後まで観客を絶望の淵に落とし込む。そして見えてくる《見世物》の本質に背筋がゾッとした。ちなみに、元々はあのチャップリンが映画化する予定でした。チャップリン版も観てみたかったなぁ

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