オールタイムベスト

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41位:ワイルド・スタイル(1982)
WILD STYLE

監督:チャーリー・エーハン
出演:リー・ジョージ・クイノーネス、フレッド・ブラザウェイトetc

ヒップホップが生まれる瞬間が収められた伝説の作品。廃墟、スラム街となったニューヨーク サウス・ブロンクス。無だと思われていた街では、グラフィティ・アートが生まれ、音楽の一部を切り取り反復し、それに合わせてラップをする、ブレイクダンスをする、ヒップホップが生まれる瞬間の美しさに涙した。特に、ラストの希望しか見えない瞬間に号泣した。

42位:アンダーグラウンド(1995)
Underground

監督:エミール・クストリッツァ
出演:プレドラグ・”ミキ”・マノイロヴィッチ、ラザル・リストフスキーetc

ダッタタタ、ダッタタタ、ダッタタタ、ダッタタタ強烈な4拍子、篭るような金管の音色、叫ぶ人、このオープニングだけで本作は5億点だ。地下都市に疎開した者と地上との乖離、その摩訶不思議な世界に熱中した。こんな戦争映画観たことがない。凄すぎてストーリーが入ってこなくなるのをグッと堪えて、物語の底を観ると、クストリッツァの痛烈な戦争に対する批判が観えてくる。これは狂乱の『この世界の片隅に』だ。

43位:バンコクナイツ(2017)
BANGKOK NITES

監督:富田克也
出演:富田克也、
スベンジャ・ポンコン、
スナン・プーウィセット、
チュティパー・ポンピアンetc

日本映画でここまで深く、夢追い人がユートピアを壊す普遍的構造を描いたとは正直驚いた。世界各国から、タイの田舎町から様々な若者が夢を追いバンコクにやってくる。しかし、そこは弱者の中での強者が弱者を搾取し、タイの文化を破壊してしまう場所だった。グローバル化によって何がもたらされたのか、経済移民がどういう者なのか、富田克也監督はDOPEな音楽とともに3時間駆け抜けてみせた。

44位:TOMMY/トミー(1975)
TOMMY

監督:ケン・ラッセル
出演:ロジャー・ダルトリー、アン=マーグレット、
オリヴァー・リード、エルトン・ジョンetc

ケン・ラッセルこそ魔術師だ!ザ・フーのロックオペラの映画化!全編音楽で物語られるといえば、『シェルブールの雨傘』を思い浮かべるが、本作だって音楽だけで物語が綴られる。トラウマにより、視力、聴力、声を失った青年の波乱万丈な旅をサイケデリックな映像で描く。どの曲もカッコいい!どの曲もぶっ飛んでいる!観る者をバッドトリップ地獄旅に誘う…

45位:殺人者はライフルを持っている!(1968)
TARGETS

監督:ピーター・ボグダノヴィッチ
出演:ボリス・カーロフ、ティム・オケリー、アーサー・ピーターソンetc

映画づくり映画として非常に魅力ある。ピーター・ボグダノヴィッチの力技パワープレイを観られる。契約残り僅かなホラー役者ボリス・カーロフを主演に、彼の作品『古城の亡霊』の映像を20分以上使い、90分程度で終わらせる。こんな無茶苦茶なロジャー・コーマンの条件を見事消化した。老役者と猟奇殺人犯の死闘、それも相手はスナイパーにも関わらず拳一つでゆっくり滲みよるボリス・カーロフのカッコ良さに痺れた。

46位:グラインドハウス(2007)
GRINDHOUSE

監督:ロバート・ロドリゲス、クエンティン・タランティーノ、
ロブ・ゾンビ、エドガー・ライト、イーライ・ロスetc

かつて存在したC級Z級専門映画館グラインドハウスの雰囲気を鬼才勢揃いで描く文化祭ムービー。ただオマージュするだけならつまらない作品になってしまうのだが、鬼才たちは全く新しく面白い映画としてグラインドハウス映画を進化させた。映画と映画の間に挿入される予告編の、「観たい!」と思わせるインパクト。そして何よりも、『デス・プルーフ』のやる気のなさに萌えた!燃えた!

47位:悪魔の毒々モンスター 東京へ行く(1988)
THE TOXIC AVENGER PART II

監督:ロイド・カウフマン
出演:ロン・ファジオ、桂木麻也子、ジョン・アルタムーラ、
安岡力也、関根勤etc

MARVELが『アベンジャーズ』で本気を出す遥か前、このAVENGERSが暴れまわっていた。『デッドプール』のように顔がグチャグチャなモンスターが、恋人を抱きながら悪を成敗する、カブキマンとクロスオーバーする。社会問題に斬り込み、海外ロケまでする。今のMARVELが頑張っていることは、C級映画専門会社トロマが既にやっていた。そんなシリーズの中で一番好きなのが東京編。関根勤が、安岡力也が面白いことになります。

48位:ジャネット、ジャンヌ・ダルクの幼年期(2017)
Jeannette, l’enfance de Jeanne d’Arc

監督:ブリュノ・デュモン
出演:リーズ・ルプラ・プリュドム、ジャンヌ・ヴォワザンetc

ジャンヌ・ダルクの幼年期をまさかのヘヴィメタミュージカルに!尼僧がChoo Choo TRAINしながら若かれしジャンヌ・ダルクに闘いを挑むなどどうかしているシーンしかない。ただ、そこにはジャンヌ・ダルクが当時感じたであろう大人への怒りの爆発の本質が描かれている。映画史100年以上経って、テクノロジーの観点以外でまだこんな新しい表現技法があったのかと驚かされた。

49位:映画 聲の形(2016)
THE SHAPE OF VOICE

監督:山田尚子
出演:入野自由、
早見沙織、松岡茉優etc

確かに原作の方がエグイし、レベルは高いのだが、あの原作をここまで映画にしたことに意味がある。小学生。まだ道徳とか倫理とかが自分の中で確立されていない状況で感じる、障がい者に対する違和感。本能に抗えず、犯した過ちに対する地獄のような贖罪の旅は、我々が心の奥底、遥か昔に置いてきた闇を呼び覚ます。それにより、いじめの本質が観えてくる。これこそ全国民に観て欲しい。なんなら道徳の時間で一番魅せなくてはいけない作品だ。

50位:鬼婆(1966)
ONIBABA

監督:新藤兼人
出演:乙羽信子,
吉村実子,佐藤慶etc

あのフリードキンが恐れた!新藤兼人のホラー映画!日本とは思えない、地球とは思えない稲穂の覆った空間で繰り広げられる嫉妬が心を蝕む姿。BBAが文字通りONIBABAに成り果てる姿の怖さには背筋が凍った。トンデモトラウマ映画である。それにしても、グザヴィエ・ドランの『トム・アット・ザ・ファーム』の演出がもろ本作の影響を受けていてびっくりだ。

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