オールタイムベスト

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11位:この空の花 長岡花火物語(2012)

監督:大林宣彦
出演:松雪泰子、高嶋政宏、猪股南etc

圧倒的作家性大林宣彦監督驚異の遺言状。老体になっても、全く衰えることなく、挑戦し続ける姿勢はインスピレーション掻き立てられる。話自体は説教くさい反戦映画なのだが、VFXを使い倒した歪な世界観に、言葉のドッヂボール、そして大団円。大林宣彦監督の世界観は毎回惹き込まれるのだが、本作はその中でも最高傑作。大林宣彦という名の洪水に魂が洗い流されました。

12位:マルホランド・ドライブ(2001)
MULHOLLAND DR.

監督:デヴィッド・リンチ
出演:ナオミ・ワッツ、ローラ・ハリング

『サンセット大通り』と『仮面/ペルソナ』を足して二で割った作品だと思いきや…これがデヴィッド・リンチの悪夢色に染まった唯一無二の存在。次々と巻き起こる訳の分からぬシーン。訳がわからないんだけれども、あまりの面白さにのめり込む。シュールな悪夢に中学生の頃からのめり込んだ。

13位:コーヒー&シガレッツ(2003)
COFFEE AND CIGARETTES

監督:ジム・ジャームッシュ
出演:ロベルト・ベニーニ、
イギー・ポップ、
ビル・マーレイetc

ただ、コーヒー、シガレット片手に駄話しているだけなのになんでこんなに面白いのか?ジム・ジャームッシュのゆる〜い作風はブンブンだけでなく多くの映画人を虜にし、彼のような映画を撮りたいと真似するのだが、真似できず辛酸を舐める羽目になった。それにしても、ジム・ジャームッシュはビル・マーレイの使い方が本当に上手い。『リミッツ・オブ・コントロール』での使い方も好きです。

14位:鴛鴦歌合戦(1939)

監督:マキノ雅弘
出演:片岡千恵蔵、市川春代、志村喬、遠山満etc

実はミュージカル映画は好きだが、フレッド・アステア×ジンジャー・ロジャースの甘ったるいミュージカルは苦手だ。その代わりに、和製ミュージカルは好きだ。マキノ雅弘のこの和製ミュージカルはその中でも最高峰。キャッチーで明るく陽気なサウンドに心踊らされるのだが、それ以上に片岡千恵蔵が急病で出られないというのに、無理矢理登場させ、いつの間にか主役が変わる構造にし、たった1週間で撮影しきったというマキノ監督の神業に痺れた。それでもって、笑って最後にはホロリと泣かせられる。まさに半世紀以上前の『カメラを止めるな!』だ!

15位:ひなぎく(1966)
SEDMIKRASKY

監督:ヴェラ・ヒティロヴァ
出演:イヴァナ・カルバノヴァ、
イトカ・チェルホヴァetc

無軌道に暴走する少女のコミカルさ。ヴィジュアルの可愛さにメロメロになった。しかし本作で提示される暗号「踏みにじられたサラダだけをかわいそうと思わない人々に捧げる」の意味が分かった時、背筋が凍った。チェコの社会批判暗号技術の高さは非常に魅力的だ。それにしても、こんな暗号映画を発禁処分にしたチェコスロヴァキアの暗号解読能力の高さには驚きだ。普通に観たら、ただただ無軌道なギャルが暴れているだけにしか見えない…

16位:ニンフォマニアック(2013)
Nymphomaniac

監督:ラース・フォン・トリアー
出演:シャルロット・ゲンズブール、ステラン・スカルスガルド、
シャイア・ラブーフ

ラース・フォン・トリアー監督の、常識や道徳に挑戦する姿勢は好きだ。『メランコリア』がカンヌ国際映画祭でお披露目となった際に、ナチス擁護発言をして出禁となった次の作品は、全編セクハラパワハラの映画だった。近年、魔女狩りのように巨匠の過去を暴き、映画人生を破壊する動きが流行っている。しかし、常識や道徳を本当にわかっているのか、真理を理解しているのか?トリアー監督は、非常識を描くことで常識の本質を抉り出す。次回作『The House That Jack Bui』は連続殺人犯の映画だそうで楽しみだ。

17位:SHOAH ショア(1985)
SHOAH

監督:クロード・ランズマン
出演:ホロコースト関係者

ホロコースト関係者のインタビューだけで構成する9時間。このドキュメンタリーを観ると未だに映画化されていない衝撃の実話が沢山眠っていることに気づかされる。そして、何よりもクロード・ランズマンの被写体のチョイスと編集の妙で、観客の脳裏に凄惨なヴィジュアルが浮かぶ。そこらへんの戦争映画よりも、壮絶なスペクタクル映像が脳裏に展開されるのだ。本作は9時間と長いので、もし興味のある方は、『ソビブル、1943年10月14日午後4時』から観ることをオススメします。

18位:XALA(1975)

監督:センベーヌ・ウスマン
出演:Fatim Diagne, Makhouredia Gueye etc

セネガルのブラック・コメディ。女、金、権力に溺れる官僚が、女の呪いでアソコが勃たなくなって全てを失うブラックコメディ。女の慟哭が響く中、暑苦しいセネガルの街を彷徨う官僚の惨めさ。神を信じない官僚が、神にもすがる想いで、魔法使いに助けを求めるところは圧巻。アテネ・フランセとかで特集上映されないかなー

19位:ヴィニール(1965)
VINYL

監督:アンディ・ウォーホル
出演:ジェラード・マランガ、イーディ・セジウィック

スタンリー・キューブリックよりも先に『時計じかけのオレンジ』は映画化されていた。それもアンディ・ウォーホルの手によって。ウォーホルは僅か数カットで、アレックスの顛末を描く。ワンカットの中に、多数のドラマが同時進行で描かれる。本作をイメージ・フォーラムで観た時、何も予備知識を入れずに観たので、衝撃を受けた。

20位:ホーリー・モーターズ(2012)
HOLY MOTORS

監督:レオス・カラックス
出演:ドゥニ・ラヴァン、エディット・スコブetc

本作を観たのは、高校3年生。パリのmk2で観た。観客は2人だけ。あまりにシュールで訳のわからない世界にノックアウトされた。ただ、これはレオス・カラックス監督が考える映画史だ。彼の作り出す映画100年史とカラックスの人生が核融合して出来上がったミクロコスモスは私の心に決して抜くことのできない長い槍を刺した。個人的に、中盤《インターミッション》と称して、楽器を弾き鳴らし狂う場面がお気に入り。

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