オールタイムベスト

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91位:パラダイス 愛(2012)
PARADIES: LIEBE

監督:ウルリヒ・ザイドル
出演:マルガレーテ・ティーゼル、ピーター・カズングetc

ケニアにバカンスに来たおばちゃんが、現地の青年に恋をして禁断の境界線を超えてしまう…予告編を観るとなんでR-15なのかが分かりにくいかもしれない。不幸とは無縁のように見える晴天描写もあり。しかし、これがとてつもなく怖い映画だ。一見優しそうに見える現地人、しかしその裏の顔、観光地ではない部分に足を踏み入れた途端、恐ろしい現実が待ち受けている。ザイドルの一切容赦しない、光と闇のコントラスト、海外旅行好きなブンブンに強烈に刺さる作品でした。

92位:まあだだよ(1993)

監督:黒澤明
出演:松村達雄、香川京子、井川比佐志
所ジョージ、寺尾聰etc

ブンブンは黒澤明映画が苦手だ。声が聴き取りにくいし、巨匠という重さが、ブンブンから食指を奪うのでなかなか観る気がしない。とは言え、半分ぐらいは観ているのだが、『七人の侍』も『生きる』も『天国と地獄』もハマらなかった。そんなブンブンが愛する黒澤明映画がこれだ。遺作にして最高傑作だと思う。なんたって134分のうち、半分が同窓会の狂乱で半分が猫探しというどうでもいい内容なのに、何故かあまりのエモーションに泣けてくるのだ。それこそ、同窓会なんて観客にとっては、誰だかよく分からぬ人の祭りに紛れ込んでしまったもの。部外者故退屈するはずだ。しかし、いきなり大声で鉄道の駅名を連呼し始め、折角暗唱しているのに、それを無視して次の人、また次の人と自分の思い出話を語り始め、それでも尚鉄オタは駅名暗唱をやめないというどうかしている狂気に魅せられてしまうのだ。終盤、猫探しする場面になると、もはやブンブンは関係者の気持ちで魅入ってしまっていた。黒澤明最期の魔法は美しかった…

93位:続・荒野の用心棒(1966)
DJANGO

監督:セルジオ・コルブッチ
出演:フランコ・ネロ、ロレダナ・ヌシアック、ホセ・ボダロetc

Django~!!!
Django have you always been alone?

耳に残る、魂のメッセージ、音色がこの映画を傑作だと物語る。最悪邦題の一つである本作は、『荒野の用心棒』の続編だと思われ、敬遠する人もいるかもしれないが、全く関係ないので、むしろこちらから挑戦して頂きたい。さすらいの男が、手を潰されても、悪を地を這うようにして敵を射殺していくカッコよさ。そして何よりもガトリング銃アクションの痛快さに痺れた。

94位:マックス・モン・アムール(1986)
MAX MON AMOUR

監督:大島渚
出演:シャーロット・ランプリング、アンソニー・ヒギンズ、
ダイアナ・クイックetc

鬼才・大島渚がフランスで映画を作った。そしてカンヌに出品された。しかし、その内容は、奥さんがチンパンジーと不倫するというロック様もびっくりな話だった。C級ゲテモノ映画のような出落ちな話なのに、不倫描写を真面目に演出し、チンパンジーの表情(本物と作り物両方使用)にも拘った結果、ギャグ度が上がり腹筋が崩壊するぐらい面白い産物となった。チンパンジーのマックス君の、哀しげな目がたまりませんww

95位:ハロルドとモード/少年は虹を渡る(1971)
HAROLD AND MAUDE

監督:ハル・アシュビー
出演:バッド・コート、ルース・ゴードン、シリル・キューザック

お葬式マニアの破天荒BBAと自殺の真似事が趣味な少年の純愛。しかし、本作に登場する破天荒BBAから教わったメッセージが釘のようにブンブンの心を突き刺した。「毎日一つ、新しいことに挑戦しなさい。それを365日続けなさい。」たった一つ。されども一つ。これが大人になると難しい。しかし、それを実践しているBBAのキラキラしている目を観ると、ブンブンも頑張らないとなと思う。ゲテモノ映画に見えて、ビジネス書のような作品であった。

96位:天使の復讐(1981)
Ms.45

監督:アベル・フェラーラ
出演:ゾー・タマーリス、ピーター・イェーレンetc

カルト監督アベル・フェラーラは『狼よさらば』的ヴィジランティズムな世界を、ユニークに且つスタイリッシュに撮った。1日に二度レイプされた発話障がいの女が、復讐に目覚めていく。彼女を取り囲む、愉快な悪党を瞬殺する彼女のカッコよさ、ねっとりじっくりと銃撃を魅せていくラストに鳥肌が立った。ブンブンにとって理想の『シェイプ・オブ・ウォーター』はこれだ!

97位:運動靴と赤い金魚(1997)
BACHEHA-YE ASEMAN

監督:マジッド・マジディ
出演:ミル=ファロク・ハシェミアン、バハレ・セッデキetc

イランの貧しい家庭に住む兄妹。兄が妹の靴を無くしてしまいさぁ大変。登校時間が違うことを利用して、一つの靴を交代で使う。そんな中、マラソン大会の知らせが届き、3等になると靴がもらえることを知る。1等でも2等でもなく、3等という微妙すぎる順位を目指して兄が妹のために奮闘する様子は、妹持ちのブンブンにとって共感アツアツポイントだ。90年代イラン映画の素朴でユーモラスな物語に嵌るきっかけとなりました。

98位:赤い風船(1956)
LE BALLON ROUGE

監督:アルベール・ラモリス
出演:パスカル・ラモリス、シュザンヌ・クルーティエetc

短編映画にも関わらず、アカデミー賞脚本賞を受賞した作品。CGなんてない時代、まるで人間のように立ち振る舞う風船を描いたことに衝撃が走る。これは、どうせピアノ線で張っているんだろうと思うのだけれども、少年の側に近づいては離れる風船の動きを観ていると、段々と作り物に見えなくなる。本当に生きているように見えるのが不思議だ。映画という魔法の可能性を信じていないと作り出せない景色がここにはあった。

99位:ミステリー・トレイン(1989)
MYSTERY TRAIN

監督:ジム・ジャームッシュ
出演:工藤夕貴、永瀬正敏、ニコレッタ・ブラスキetc

中学時代、母親に薦められて観た。人生初ジャームッシュ映画だ!エルヴィス・プレスリーの『ミステリー・トレイン』が軽快にかかる中繰り広げられるオムニバス。何故か工藤夕貴、永瀬正敏扮するカップルがメンフィスに降り立つパートがいいアクセントになっている。ただひたすらにゆるくてやる気のない感じが素敵だ。そして、何よりも、プラムのシーン、これがサイコーにUmarvelousだ!

100位:東海道四谷怪談(1959)

監督:中川信夫
出演:天知茂(宇寿木純)、若杉嘉津子、
江見俊太郎(江見渉)etc

今観てもとてつもなく怖い作品。何度も蘇るお岩さん。これが『サスペリア

』の比ではない強烈な色彩の下襲いかかる。アメリカンホラーにありがちな不意打ち系の驚かし方は一切していない。徹底的に、心を引っ掻くようなヒリヒリする怖さで、背筋がゾーーーーッと冷えてくる。70分くらいしかないのに、「早く終わってくれーーー」と叫びたくなる作品であった。

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