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“Ç”こんなバカンスは嫌だ「パラダイス三部作」特集①「愛」

“Ç”こんなバカンスは嫌だ「パラダイス三部作」特集①「愛」

ウルリヒ・ザイドル監督作に挑戦!

オーストリア映画って実はゲテモノ映画を
定期的に輩出している国で、
ミヒャエル・ハネケを筆頭に
近年では当ブログで紹介した
ICH SEH ICH SEH」など輩出している。

そんな中、昨年日本でも話題を呼んだ監督がいる。
ウルリヒ・ザイドルだ!!!!
元々はドキュメンタリー出身の監督で、
「予測された喪失」は山形国際ドキュメンタリー映画祭で
最優秀賞を受賞していた。

そんな監督が、カンヌ、ベルリン、ヴェネツェア映画祭に1本ずつ
放ち、いずれも高評価を得たシリーズが
今回紹介する「パラダイス三部作」だ!
ある人の日常が狂気に変わる様子を冷たいタッチで
描いており、ロイ・アンダーゾンっぽい「間の悪さからくる」
笑いはありつつも、非常に怖い作品になっている。
R-15も頷ける作品群ですぞ~

パラダイス:愛

パラダイス愛
監督:ウルリヒ・ザイドル
出演:マルガレーテ・ティーゼル、ピーター・カズング

評価:85点

カンヌ映画祭に出品されたこの作品、
始めに言っておく。
何故、監督賞を獲れなかったのだ?
闇のあとの光」って批評家評が
異常に悪かったってか、
マジでよく分からん作品が何故か
監督賞をかっさらったが、
この作品がなければ、
レオス・カラックスの「ホーリー・モーターズ
と一騎打ち級のすんげービザールで
面白い作品でした。

ケニアにバカンスでオーストリアからやってきたばばあ。
このリゾート地では、浜辺に白い線が引かれており、
女たちはお気に入りの黒人を見つけるために
浜辺へ入っていくのだった。
主人公のばばあは、友人から聞きつけた情事に
惹かれ白線を越えていくが…

とにかく不穏!

バカンスと言えば、
明るくて楽しくて…ってイメージじゃないですか。
実際に、劇中では明るすぎるほどの
晴天とケニア人による陽気な音楽が流れている。

…でも、どこか冷たい。
遠くから固定で撮ることによって
観客を楽園から強引に距離感を
置かせる。

そして、浮かれている観光客の
愚かさに気づかせる。
旅行先の現地人を見下しているところ、
高慢なところ。

ドキュメンタリー映画出身の監督だけあって、
おそろしいことを観客にぐっさり突き刺すのだ。
バカンスとは現実逃避に過ぎない、
バカンスで行った先で一生暮らしたいと思いますか?
と監督は語りかけてくる…

楽園から地獄へ…

至って、シンプルな構造だが、
この作品が魅せる地獄はエラく恐ろしいものだ。
(こっからネタバレします!)

主人公のばばあは、羞恥心から一回目の黒人
とはエッチができなかった。

二回目、今度は執拗な物売りから
おっぱらってくれた優しい黒人に
惚れるのだが、彼が優しくしてくれたのには
訳がアリ、家族の生活費を彼女からむしり取る
為だったのだ。

いままで、ビーチやホテルといった観光地しか
魅せてこなかったカメラが急に、
観光地の深部、「闇」に迫る。
パラダイスが一気に崩されていく
様子はマジで怖かった。

「地球の歩き方」にも載っていそうなアルアル
話なのにメチャクチャ怖い。

そして、二番目の黒人と別れた後も
容赦なく観客の心をえぐる描写が
用意されている。

天国の隣は地獄だった!
逃げようと思っても、
逃げる場所すら失われた時、
残された道は退廃しかない…
こんなことを監督が語っているようで
マジで背筋が凍りました。

バカンスで異郷へ行く際は、
現地人の心も観察してみようと
考えさせられたなー

もちろん、ばばあのプレイシーンも
凝視するほど圧巻でしたぞ~w

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