チェコアニメーションと言えば?
チェコ映画…映画オタクがぱっと浮かべるのは
ヤン・シュヴァンクマイエルだったり、
イジー・バルタと思われる。
所謂、ディズニーやジブリ映画とは明らかに違うのが
チェコアニメーション。
実写とアニメを融合、チェコのちょっとボロい町並み感を
映画の中にぶち込み、ブラックユーモアで練り込まれた
ストーリーは映画オタクを虜にする独特なタッチで
はまる人は嵌まります。
ブンブンも、ヤン・シュヴァンクマイエルの「ファウスト」
を観て一気に嵌まり、実際にチェコの
「Film Special Effects MUSEUM」に行って
チェコの特撮技術を学ぼうとしました。
…しかし、その博物館、チェコ映画史の巨匠
カレル・ゼマン博物館と言って良いほど、
彼の作品解説しかありませんでした(^^;)
しかし、興味深い中身に惹かれ、
今回、プラハで購入した
彼監督作「悪魔の発明」を観ることにしたぞ!
悪魔の発明(VYNALEZ ZKAZY)
![(null)](https://france-chebunbun.com/wp-content/uploads/2015/02/img_1429-jpg.jpg)
監督:カレル・ゼマン
出演:ルボル・トコシュ、ミロスラフ・ホロップetc
あのジョルジュ・メリエスが映画化した
「月世界旅行」の原作者ジュール・ヴェルヌ
の同名小説の映画化。
「月世界旅行」の映画化から55年経った1957年に
作られていることから明らかにカレル・ゼマンが
「月世界旅行」への挑戦をしている作品だ。
いや、CGがない時代とはいっても
サイレント映画時代を思わせる級の古さを感じられる。
古書の挿絵のような荒々しいでも直線的な絵で
作られた世界に、申し訳なさげに人が立っている。
あっこれは「月世界旅行」のセットじゃん!
ただ、あれは「絵」は絵として、「人」は人として
動いているのだが、「悪魔の発明」は
人や絵が垣根なく動き回る。
アメリカも確かに1945年に「トムとジェリー」の
ジェリーとジーン・ケリーを同時に踊らせる
「錨を上げて」を作っているが、
ここまで「絵」と「人」が同化している
なんてしてなかったぞ。
遠近感が凄い
![(null)](https://france-chebunbun.com/wp-content/uploads/2015/02/img_1431-jpg.jpg)
「悪魔の発明」はセットの大きさを調整するためか、
遠近法を多用されている。
例えば、潜水艦の内部は奥行きを
作り出す絵で潜水艦の全長を誤魔化している。
ストーリーは?
原爆並に強力な爆弾を発明した男が
原爆争奪戦に巻き込まれるサスペンス。
前半の展開が早すぎて10分で、
何故発明家が幽閉されたのかがわかりにくかった。
そして、後半の展開がちょっと冗長に感じた。
でも、傑作
いや、ストーリーの落ち度はここまで
洗練された映像美を見せられたら
どうでも良くなる。
映像を撮ったことのある人は
魅了されること間違いナシの作品でした。
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