トークショー《あなたの知らないゴッホ映画の世界》を終えて…
おはようございます、チェ・ブンブンです。
4/6(土)に高円寺にある映画バーBIGFISHさんで僭越ながらトークショー《あなたの知らないゴッホ映画の世界》をさせて頂きました。超絶マニアックな内容ながら、見事満席にすることができました。ただ、今回初めて単独トークショーを行うにあたり、集客面や告知の点で非常に努力したこともあります。努力したからこそ、成功できたのであり、次回行う時も気を抜かずハイレベルなトークショーをやっていきたいなと思いました。成功の再現性を高めるために、今回行った集客のノウハウ、トークのノウハウは後日noteにて書いていきます。ノウハウに関する部分なので、有料記事となりますが、気になる方はチェックしてみてください。
では、この記事では何を書くのか?というと、《リアル質問箱》のコーナーで回答できなかった質問等に対してレスポンスしていこう思います。
もくじ
- 1 紹介した作品のリスト
- 2 Q.オリヴェイラ監督のお話を聞かせてください
- 3 Q.女性がたくさん出演する映画、男性がたくさん出演している映画でオススメあればお願いします。
- 4 Q.映画館以外で映画を観る時、どんな方法で観ますか?
- 5 Q.映画館でも配信でも観られない作品はどうやって観ているのですか?
- 6 Q.10回以上観ている作品はありますか?
- 7 Q.ゴッホ映画の中で一番印象的だったシーンがある作品は
- 8 Q.デンマークのオススメ映画(トリアー以外)について教えてください
- 9 Q.ロバート・アルトマン版『ゴッホ』では監督の人生が投影されていたと話されていたのですが具体的にどういった感じで投影されていたのでしょうか?
- 10 Q.ブンブンさんのオススメな写真家映画などありますか?
- 11 最後に…
紹介した作品のリスト
お客さんから、「紹介した映画のリストを配布していただけると助かります」といった声が上がりましたのでここにリストをアップしていきます。
映画
・『永遠の門 ゴッホの見た未来(2018)』→メインディッシュ
・『炎の人ゴッホ(1956)』→ゴッホ映画入門
・『ゴッホ(1990)』→ロバート・アルトマン版ゴッホ
・『ヴァン・ゴッホ(1991)』→ゴッホ映画あるあるを裏切る傑作
・『ゴッホ 最期の手紙(2017)』→アニメ版ゴッホ
・『ヴァン・ゴッホ(1948)』→ドキュメンタリー版ゴッホ映画
・『夢(1990)』→黒澤明がマーティン・スコセッシ監督をゴッホ役に抜擢した珍作
・『ゴッホ 真実の手紙(1990)』→ベネディクト・カンバーバッチがゴッホを演じた作品
・『劇場版ミッフィー どうぶつえんで宝さがし(2013)』→「言葉を失うほど衝撃を受けた映画について教えてください!」という質問に対する返答
・『WE ARE LITTLE ZOMBIES(2019)』→オススメの近日公開映画1
・『さらば愛しきアウトロー(2018)』→オススメの近日公開映画2
・『バットマンVSスーパーマン(2016)』→レックス・ルーサーの後ろに飾ってある絵についての説明
・『バンド・ワゴン(1953)』→ヴィンセント・ミネリ作品1
・『巴里のアメリカ人(1951)』→ヴィンセント・ミネリ作品2
・『バルセロナ、天使のセックス(2012)』→オススメのLGBT映画紹介
・『M★A★S★H(1970)』→ロバート・アルトマン、カンヌ国際映画祭でパルムドール受賞作
・『ビッグ・アメリカン(1976)』→ロバート・アルトマン、ベルリン国際映画祭金熊賞受賞
・『ショート・カッツ(1993)』→ロバート・アルトマン、ヴェネチア国際映画祭金獅子賞受賞
・『ポパイ(1980)』→ロバート・アルトマン、ロビン・ウィリアムズの黒歴史映画
・『バスキア(1996)』→ジュリアン・シュナーベル監督デビュー作
・『潜水服は蝶の夢を見る(2007)』→ジュリアン・シュナーベル監督がカンヌ国際映画祭で監督賞を獲った作品
・『ストップ・メイキング・センス』→オススメの音楽映画で紹介
・『ターナー、光に愛を求めて(2014)』→ゴッホ以外のオススメ画家映画
・『アメリカン・ハニー』→新社会人にオススメな映画
・『Hale Country This Morning, This Evening』
・『チワワちゃん』
・『洗骨』
アート作品
・『自画像(1889,ゴッホ)』
・『星月夜(1889,ゴッホ)』
・『ジャガイモを食べる人々(1885,ゴッホ)』
・『夜のカフェテラス(1888,ゴッホ)』
・『アルルの跳ね橋(1888,ゴッホ)』
・『赤い葡萄畑(1888,ゴッホ)』
・『雨の中の橋(1887,ゴッホ)』
・『ピアノを弾くマルグリット・ガシェ(1890,ゴッホ)』
・『花咲くアーモンドの花(1890,ゴッホ)』
・『悲しむ老人(1890,ゴッホ)』
・『叛逆天使の堕落(1562,ブリューゲル)』
・『睡蓮(1906,モネ)』
・『ジャレの丘、ポントワーズ(1867,ピサロ)』
・『グランド・ジャット島の日曜日の午後(1884-1886,スーラ)』
・『ひまわりを描くフィンセント・ファン・ゴッホ(1888,ゴーギャン)』
・『果物籠のある静物(1888-1890,セザンヌ)』
・『落穂拾い(1857,ミレー)』
・『マルティニークの風景(1887,ゴーギャン)』
・『熱帯の立ち話(1887,ゴーギャン)』
・『大橋阿たけの夕立(1857,歌川広重)』
・『ビードロを吹く娘(1792,喜多川歌麿)』
・『剣を持った青いヌード(1979,シュナーベル)』
・『無題(1982,バスキア)』
・『無題(1989,ドナルド・ジャッド)』
・『等価物Ⅷ(1966,カール・アンドレ)』
・『かぼちゃ(1999,草間彌生)』
Q.オリヴェイラ監督のお話を聞かせてください
オリヴェイラ監督の作品は、思わぬ展開でグランドフィナーレを迎える面白い映画監督だと思います。『アンジェリカの微笑み』では、死んだ女性の面影に惚れ込み、自分も昇天するというショッキングな作品でした。『ブロンド少女は過激に美しく』では、これから物語が始まるというところで終わるし、『永遠の語らい』では船爆発で終わる。常に投げやりなのだが、それが面白いからのめり込んでしまう。そういう作家です。『カニバイシュ』が今観たいです。もし『カニバイシュ』を観ることができたら、記事を書こうと思います。Q.女性がたくさん出演する映画、男性がたくさん出演している映画でオススメあればお願いします。
男がたくさん出てくる映画なら、『PRINCE OF LEGEND』がオススメです。セレブ王子、メガネ王子、下克上王子などありとあらゆる王子が渋滞している作品です。本作は、ギャップ萌えを完璧にコントロールした傑作だと思っています。特に、関口メンディー演じる金髪SP王子、明らかにかませ犬的ポジションのメンディーが王子バトルにて5位くらいまで上り詰めていく様子が胸熱でした。女性がたくさん出てくる映画は、映画ではないのですが今京アニ版『KANON』に嵌っています。男の前に毎回謎のヒロインが登場しては消えを繰り返す『ツイン・ピークス』さながらのシュールさがめちゃくちゃ面白い作品です。これはいずれブログに書こうと思っています。Q.映画館以外で映画を観る時、どんな方法で観ますか?
最近は米国iTunesで観ることが多いです。住んでいるところがちょっと地方ということもあり、試写会や有給やフレックスを使わないと厳しいということもあり配信に頼ります。それでも、映画館で観ないといけない映画は、絶対に配信では観ないです。『ROMA』のように、のちに配信から劇場公開された劇場推奨作品はしっかり映画館で観直します。
Q.映画館でも配信でも観られない作品はどうやって観ているのですか?
輸入DVDを探します。DVD FantasiumとAmazonを主に使います。CriterionやフランスのPotemkin社から割と自分が観たいレア作品が出ていたりするのでそこを調べたりします。また、映画超人仲間と情報交換したり、場合によっては海外にいる知り合いから送ってもらうこともあります。
Q.10回以上観ている作品はありますか?
ヤン・シュヴァンクマイエルの『FOOD』とジョナサン・デミの『ストップ・メイキング・センス』は20回以上観ています。Q.ゴッホ映画の中で一番印象的だったシーンがある作品は
モーリス・ピアラ 『ヴァン・ゴッホ』で、ゴッホが延々とマルグリット・ガシェと対話して、焦らしに焦らした末に『ピアノを弾くマルグリット・ガシェ』を観客に提示するシーンが一番面白かったです。前半、ゴッホの絵を魅せるそぶりを魅せて全く魅せず、最後の最後にこの絵を魅せてくるのは、レイザーラモンRGのあるあるネタに近い外しのユーモアに溢れていると思います。
Q.デンマークのオススメ映画(トリアー以外)について教えてください
ニコライ・アーセル監督の『ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮』をオススメします。デンマークといえば幸福度ランキング上位国(2019年度は2位)のイメージが強いのですが、最強の福祉国家になれたのはここ50年ぐらいの話です。18世紀デンマークがいかに凄惨だったのかを知ることができる作品です。意外なデンマークの側面を知ることができますよ。Q.ロバート・アルトマン版『ゴッホ』では監督の人生が投影されていたと話されていたのですが具体的にどういった感じで投影されていたのでしょうか?
顕著なのは冒頭ですね。冒頭、安田火災海上保険が『ひまわり』を53億円で落札する場面と重ね合わせるように、伝道師を諦めニート同然の姿でテオの家に転がり込んでいるシーンが描かれます。莫大な金額で落札される巨匠になる未来と、どん底にいる過去を同時に描くことで、ヨーロッパでは成功しているが、アメリカではいまいち活躍できていないアルトマンの両極端のベクトルの狭間で引き裂かれそうになる心が投影されていると考えることができます。
Q.ブンブンさんのオススメな写真家映画などありますか?
ドキュメンタリーですが『セバスチャン・サルガド/地球へのラブレター』はオススメです。ヴィム・ヴェンダース監督のドキュメンタリーにはハズレなし!文化人類学的側面で報道写真を撮り続ける男セバスチャン・サルガドが、未知なる土地で淡々粛々とカメラを構える。その職人技に耽溺しました。銀座の本屋TSUTAYAではセバスチャン・サルガドの大きな写真集が販売されているのですが、きっとこの映画を観たら欲しくなりますよ。劇映画だと今年ポニーキャニオン配給で公開される片目の戦場カメラマンを追った実話モノ『A PRIVATE WAR』なんかがオススメです。
最後に…
トークショーやブログで扱って欲しい作品の候補も沢山いただきました。例えば「映画ファンじゃない人とでも盛り上がれる作品について扱って欲しい」という意見をいただきました。これはブンブンの職場が映画好き皆無なこともあり非常に興味ある話題です。いずれ何らかの形で扱いたいと思っています。これらの意見は、積極的に採用していきますのでよろしくお願いします。次回は今の所、ラース・フォン・トリアー監督最新作『ハウス・ジャック・ビルト』公開に併せて、ラース・フォン・トリアー論でもやろうかなと考えていますので、お時間ありましたら是非遊びに来てください!
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