「LA LA LAND」に備えろ!「巴里のアメリカ人」実はぶっ飛んだミュージカルだった!

巴里のアメリカ人(1951)
An American In Paris(1951)

監督:ヴィンセント・ミネリ
出演:ジーン・ケリー,
レスリー・キャロンetc

評価:80点

2017年が始まり、映画ファン
最初の楽しみといえば、
アカデミー賞である。

ベルリン、カンヌ、
ヴェネチア国際映画祭と比べ、
出来レースなこともあり、
初心者でも結構予想が当たることから
クイズ感覚で楽しめるイベントだ。

今年の作品賞は、前哨戦の
様子を見るとどうやら
「セッション」のダミアン・チャゼル
監督によるミュージカル
「LA LA LAND」が濃厚なようだ。

スコセッシやコッポラといった
巨匠がフレッド・アステア、
ジーン・ケリー時代の
明るいミュージカルの再生に
挑戦しことごとく失敗した
無念をわずか31歳の
ダミアン・チャゼル監督が
成功させたことで話題を呼んでいる
作品だ。

そんな「LA LA LAND」の予告編を
観ると、木の絵をバックに踊る
シーンがどうやら
「巴里のアメリカ人」
のオマージュなのではと
思い、今回「巴里のアメリカ人」
を観てみましたぞ~

「巴里のアメリカ人」あらすじ

アメリカからやってきた
巴里の売れない画家の
ジェリーは、
金持ちの富豪ミロに
目を付けられて
援助されるようになる。
しかしジェリーは、
酒場で見かけた女性
リズに恋をしてしまい…

ストーリー構成が斬新

本作は、ミュージカル映画史に残る
傑作として名を轟かせているが、
今観ると凄い変な(褒め言葉)作品だ。

113分あるうちの90分ぐらいで
ストーリーは終わってしまうのだ。
そして、残りの25分は沢山の
人が入り乱れるダンスシーン

繰り広げられていたのだ。

状況を解説すると、
主人公のジェリーは
富豪女性のヒモとなっているのだが、
彼が酒場の女性を好きになり
頑張って迫る。
すると、なんと彼女から
ジェリーの友人であるアンリ
と結婚するという哀しい言葉を
聞いてしまう。

頭では分かっていても
彼女のことを忘れられない
ジェリーの脳内で起こる
強烈な祈りがミュージカルとして
描かれているのだ。

そう聞くと、凄い哀しい脳内、
狂気の脳内がダンスシーンに
反映されるのではと思うかも
しれない。

確かに、2次元3次元が入り乱れ、
赤・青・白とドギツイ色が
花火のように観客に飛び込み
狂気ではあるのだが、
あまりにもダンスや役者、
音楽が明るすぎて
観ている方はとっても
楽しくなるのだ。

もう後半に行くに従って
身体の奥底からボルテージが
上がっていく。まるで
ロックライブを観ているような
気持ちにさせられる。

そんなジェリーの熱すぎる
祈りあってのご都合主義エンドは、
本当に酷いのだが、
潔すぎて「よっお見事!」としか
言いようがない。

町山さん曰く、「LA LA LAND」では
ラストに「巴里のアメリカ人」
オマージュを持ってきている
ことが伺えるので、
もしや、この離れ業を
再現しているんじゃないのか?
と思い早く「LA LA LAND」を
観たくなったブンブンでした。

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