ブンブンシネマランキング2018:新作部門
今年もやってきましたブンブンシネマランキング。今年はスタイルを変えて、新作ベストテン20本、旧作ベストテン20本、ワースト10本について語っていきます。元々、当シネマランキングは中学生の頃キネマ旬報のベストテンを参考に洋画と邦画を分けて発表していたのですが、年によって邦画洋画の傑作バランスが著しく異なる問題が発生していました。よくよく考えたら同じ映画なのに、洋画邦画分ける必要ないのではと思い今年からは、新作、旧作(こちらは、隠れた名作を紹介する意味合いが強いので残しました)、ワースト3つのベクトルでベストテンを作成していきます。
流石に各項目ベストテンしか選べないのは苦渋の選択となってしまい、あまりにキツイので、ベスト20という形で語っていきます(ワーストは10本だけです。20本も貶す必要はないので)。
それでは20位から順に観ていきましょう。
もくじ
20.マンタレイ(MANTA RAY)
監督:Phuttiphong Aroonpheng出演:Aphisit Hama, Wanlop Rungkumjad, Rasmee Wayrana etc
鑑賞環境:釜山国際映画祭
正直、釜山国際映画祭で観た時、何を魅せられたのか分からなかった。まるでボーマン船長のように言語化不可能な宇宙を観てしまった。電飾を纏った兵士、ミラーボール。森林から生まれる何か。この作品について語る言葉はないのだが、ただただこの作品に対して「良かった」と惚れ惚れするブンブンであった。えっロヒンギャ?ブンブンには分かりません。
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19.ROMA/ローマ
監督:アルフォンソ・キュアロン出演:ヤリャッツァ・アパリシオ、マリーナ・デ・タビラ、Diego Cortina Autrey etc
鑑賞環境:Netflix
Netflix映画はどうもドラマシリーズの作り方に引っ張られてしまい、映画を観た気になりにくい。2時間に、物語を凝縮しようとする気概が見受けられない。ドラマシリーズが苦手なブンブンとは相性が悪いのだが、この『ROMA/ローマ』はクリティカルヒットした。家政婦の目から見るメキシコの生活。限りなくドラマ性は廃して淡々と人生が綴られている。なんだけれども圧倒的な映像に引き込まれる。そして観終わった時、本作に隠されて暗号に心が揺さぶられた。
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18.リズと青い鳥(Rizu to Aoi tori)
監督:山田尚子出演:種崎敦美、東山奈央、本田望結、藤村鼓乃美etc
鑑賞環境:TOHOシネマズ海老名
吉田玲子が既存のコンテンツを、アニメなんか見ないし原作なんか知らない映画ファンも楽しめる形で再構築するのに長けている。本作は、まるでイングマール・ベルイマンの『仮面/ペルソナ
』のように、陰と陽の対話の中から孤独や個人的な問題という膿が絞り出され、一つのアイデンティティとなっていくプロセスが描かれている。ただひたすらに美しいが、籠の中の小鳥のように閉塞感がある世界。そこから解放された時のカタルシスは素晴らしいものでした。
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17.未来のミライ(Mirai)
↑海外版トレーラーにもくんちゃん昇天シーンが盛り込まれていて大草原不可避ww監督:細田守
出演:上白石萌歌、黒木華、星野源、麻生久美子、吉原光夫、宮崎美子、役所広司、福山雅治etc
鑑賞環境:TOHOシネマズ日比谷
日本では多くの方が火炎瓶を投げつけた細田守THE自慰映画なのだが、何故かブンブンにはクリーンヒットした。何と言っても、本作最大の面白さは、妹が現れたせいで楽園を奪われたくんちゃんが外のコミュニティに出ようとする中で、自身の潜在意識が生み出す悪夢が足枷となってしまい、果たしてうちなる世界から脱出できるのかという話をあの独特な建築構造で象徴させてしまったことだ。我々一般市民とは遠くかけ離れたブルジョワな生活。その中でわがまま放題して生み出される宇宙は確かに嫌悪感が出るとは思うが、個人的にはアニメ版『アイズ ワイド シャット』として面白かったです。
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16.犬猿(KEN-EN)
監督:吉田恵輔出演:窪田正孝、新井浩文、江上敬子、筧美和子etc
鑑賞環境:TOHOシネマズ ららぽーと横浜
ホン・サンスを超エンタメにした監督が吉田恵輔だと個人的に認識しているのだが、本作はその真骨頂。『愛しのアイリーン
』も大傑作だが、やっぱりこちらを選ぶ。本作は、兄弟喧嘩と姉妹喧嘩のメカニズムを明らかにした上で、恋のアンサンブルとしてぶつけていく。お笑い芸人ニッチェの江上敬子の魅力を最大限生かしたキャラクターの肉付けも合わせて最後の1秒までサイコーに厭で爆笑の作品でした。
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