2018年度チェ・ブンブンの極私的アカデミー賞

2018年度チェ・ブンブンの極私的アカデミー賞

あけましておめでとうございます。今年も『チェ・ブンブンのティーマ』よろしくお願いします。

それでは、新春初記事「2018年度チェ・ブンブンの極私的アカデミー賞」いってみましょう!!

作品賞:『バーフバリ 王の凱旋

監督賞:スティーヴン・スピルバーグ(『レディ・プレイヤー1』『ペンタゴン・ペーパーズ』)

今年の監督賞は、彼しかいないでしょう。なんたって、『レディ・プレイヤー1

』と『ペンタゴン・ペーパーズ

』という全く別次元のベクトルを持った傑作を同時に作ってしまったのだから。また『レディ・プレイヤー1』では、オタクの味方であり続けたスピルバーグでしか創り出せないオアシスを爆誕させた、ただならぬ功績がある。なので彼に監督賞を与えました。

主演女優賞:江上敬子(『犬猿』)

王様のブランチでお馴染みニッチェの江上敬子。彼女が『犬猿

』で魅せた拗らせ女子感がサイコーに面白い。吉田恵輔は江上敬子をお笑い芸人としてではなく、女優として捉え、それに彼女は応えた。素晴らしい。

主演男優賞:ユ・アイン(『バーニング 劇場版』)、ラミ・マレック(『ボヘミアン・ラプソディ』)

イ・チャンドンが村上春樹の『納屋を焼く』を映画化!そんな『バーニング 劇場版

』を最大限魅力的にしたのは、ユ・アイン演じる主人公だ。貧しく、微かな夢を掴もうとするユ・アインの童貞ならではの渇望の表情が非常に繊細で、それが次第に狂気に変わっていく様は見事としか言いようがなかった。NHKドラマ版は、終盤50分丸ごとカットされたバージョンなので、是非2/1その続きを確認してみてください。驚きますよ。

そして、未来しか見ず、本心を心の奥底にしまい、コンプレックスから逃げてきた男が、最後にチャンピオンへと昇華されるフレディー・マーキュリーを演じきったラミ・マレックの雄姿。これも評価しないといけません。

助演女優賞:秋山ゆづき(『カメラを止めるな!』)

演技の下手さこそが演技だった! 今年一大ムーブメントとなった『カメラを止めるな!

』。どんぐりさんとか、魅力的なキャラクターしかいなかった本作ですが、一番輝いていたのは秋山ゆづきだった。映画をたくさん観ている人でも騙される、彼女の下手さを強調した演技。1幕ごとに変化していく、姿は素晴らしいに尽きます。まさにスター誕生である。

助演男優賞:サティヤラージ(『バーフバリ 王の凱旋』)、グウィリム・リー(『ボヘミアン・ラプソディ』)

I LOVE カッタッパ!『バーフバリ』シリーズに絶妙なスパイスを与えるキャラクター《カッタッパ》。時に勇者で、時に保護者役、はたまた狂言回しであり裏切り者。多面的顔を持つカッタッパは愛らしい。私はバーフバリよりもカッタッパが好きだ。ブァーーーフバリィィィィィーーーーーーー!

そして、グウィリム・リーよあなたはグウィリム・リーではないでしょう。ブライアン・メイ本人でしょう?

脚本賞:吉田恵輔(『犬猿』)

兄弟喧嘩と姉妹喧嘩のメカニズムを明らかにした上で、その蝶番をぶつけていく。このありそうでなかった闇鍋を、絶品に仕上げる吉田恵輔の技術力に惚れました。『意図しのアイリーン』も傑作だったことから、2018年もっとも輝いていた映画監督兼脚本家だ。

脚色賞:吉田玲子(『リズと青い鳥』『若おかみは小学生!』『劇場版 のんのんびより ばけーしょん』)

以前から注目していたアニメ脚本家だが、今年の玲子嬢は背筋が凍るほどキレッキレでした。『リズと青い鳥』では、ベルイマンのような語り口を魅せ、『若おかみは小学生!』ではブレッソンさながらのストイックな物語を作り上げた。『劇場版 のんのんびより ばけーしょん』では、ロジエのようなバカンスの終わりの愛おしく切ない感情を描くための積み重ねが重厚に描かれていた。決して既存コンテンツの映画版だからと手を抜くことなく、原作ファンを満足させつつ、シネフィルをアニメ沼へ導く。すごいぞ!

撮影賞:『CLIMAX』『ロング・デイズ・ジャーニー、イントゥ・ナイト』

ギャスパー・ノエの『CLIMAX』とビー・ガンの『ロング・デイズ・ジャーニー、イントゥ・ナイト』はどうかしている!の一言に尽きます。前者は、観客がアングルを捕捉できないぐらい暴走した撮影に酔い、後者は「空を自由に飛びたいな」とドラえもんにお願いしようとする我々に、「ドラちゃんのポンコツタケコプターなんかより、こっちを観てくれ!」と誘うビー・ガンの幻影奇譚体験に魂を抜かれました。

編集賞:『ブラ物語』

『ブラ物語』は、徹底的にサイレント映画時代の演出技法を研究して、コメディとしての面白さを探求している。この探求がなければ、ただブラジャーの主を探しにいく出オチコメディに終わってしまったことでしょう。

録音賞:『CLIMAX』

マジで、どう音を撮ったんだ??

歌曲賞:Vision of Gideon(『君の名前で僕を呼んで』)

涙腺崩壊!あまりの切ないエリオの姿をバックに流れる、囁くように語られるこの曲は、ブンブンの心を突き刺した。

作曲賞:『バーニング 劇場版』

全編に漂う思わせぶりなサウンドが、鈍重でなかなか進まない物語に対する興味を持続させます。

視覚効果賞:『ボヘミアン・ラプソディ』

『ボヘミアン・ラプソディ』最大の勝利は、完璧なライブ・エイドの再現だ。完全に騙されました。スタジアムの観客が合成だったことに。視覚効果賞って、派手さだけがウリじゃないことがよく分かる作品だ。

衣裳デザイン賞:『ファントム・スレッド

ああ!なんて美しいんだ!

音響編集賞:『マンタレイ

森の奥底から生まれる得体の知れない存在、それを盛り上げるためにジジッ…ジジっ…と電気の音が鳴り響く、謎のインスタレーションに観るものを引き込む。そのための音響編集が非常に効果的に使われていた。

美術賞:『The House That Jack Built』

これはなんで入れたのか語るとネタバレになってしまうので黙っておきます。

メイクアップ&ヘアスタイリング賞:『The House That Jack Built』

吐く人出てくるであろう、メイクアップに注目だ!

短編実写映画賞:『天国はまだ遠い

濱口竜介の黒沢清的恐怖表現を自分の技術とコミットさせ別次元の世界を生み出す様が気に入りました。

ベストポスター賞:『マンタレイ』

今年一番かっこいいなと思ったポスターです。

ベスト邦題大賞:『暁に祈れ(A Prayer Before Dawn)

《夜明け前の祈祷者》と直訳するだけでもかっこいいこの作品ですが、Before Dawnを《暁》と訳し、《祈れ》と命令形を付属させることで、本作が持つ壮絶なドラマを強調することに成功。非常に考え抜かれたこの邦題、素敵でした。

原題に戻すべき邦題大賞:該当なし

今年は、割と真っ当な邦題ばかりで、特記するような作品はありませんでした。よかったよかった。

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