【ブンブンシネマランキング2018】ワースト部門1位は瀬々敬久監督作『友罪』

ブンブンシネマランキング2018:ワースト部門

さあ、ついにやってきました2018年映画ワースト10。毎年、ワーストテンを作ることに対してTwitter上で論争となるが、ブンブンはがっつり肯定派です。やっぱり嫌いな作品に対して嫌だとハッキリ言う人にブンブンは惹かれます。Twitterだと140字の制限があるので、どうしてもギスギスしてしまうのですが、ブンブン個人的にワーストテンは一種の祭り、好きの裏返しだと思っています。なので、ワーストに耐性のない方はそっと閉じることをオススメします。

それでは10位からいってみましょう。

10.クソ野郎と美しき世界(2018)

監督:園子温、山内ケンジ、太田光、児玉裕一
出演:稲垣吾郎、香取慎吾、草彅剛、浅野忠信、尾野真千子etc
鑑賞環境:TOHOシネマズ上野

本作は、勿体無いの一言に尽きる。SMAPはジャニーズグループの中でも飛び抜けて、メンバーそれぞれが強烈なクセを持っていて、上手く活用すれば銀幕の世界でも輝ける存在となっている。本作の場合、山内ケンジこそ香取慎吾を使いこなしていたのだが、他はあまりにも魅力が引き出せていなかった。園子温は相変わらずパラノイアで、『幻の湖』的なことをしたいんだろうとは思うのだがタダタダ、ダサく、稲垣吾郎の二枚目感を引き出す前に監督の本能を優先させてしまったようなイメージがある。太田光のパートは、いかにも大学の映画サークルが作りそうな、しっかりと映画の骨組みこそあるのだが純粋につまらない。そして草彅剛ファンのブンブンからすると、彼の狂気性が全く活かされていない気がした。そして本作はクライマックスにミュージカルがあるのだが、これはミュージカルというよりかはMVである。でもMVとしては、各エピソードの事後を長々と挿入してノイズになってしまっている。結局、全体として観た際に、そこには虚無が漂うだけであった。

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9.来る(2018)

監督:中島哲也
出演:岡田准一、黒木華、小松菜奈、松たか子、妻夫木聡etc
鑑賞環境:TOHOシネマズ海老名

ブンブンの心には来ませんでした。本作は確かに面白いところはある。結婚式の場面の戦慄、どうかしている終盤のバトルシーン、そして柴田理恵に柴田理恵。ただ、本作は、『哭声/コクソン

』の真似事をするだけに情熱が注がれており、前半1時間ショットが全くもって大切にされていません。いくら中島哲也がCMディレクター出身の監督とはいえ、使い捨てるように映像をバッサバッサと切り刻む姿勢には正直腹が立って来ました。視覚重視のCMディレクターだからこそ、ショットや演出を大切にして欲しいと思いました。でも、、、柴田理恵はカッコよかったDEATH。

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8.SUNNY 強い気持ち・強い愛(2018)

監督:大根仁
出演:篠原涼子、広瀬すず、小池栄子、
ともさかりえ、渡辺直美、池田エライザetc
鑑賞環境:TOHOシネマズ 海老名

本作は確かに面白いところもある。広瀬すずのヤンキーの血が覚醒する場面は爆笑だ!しかしながら韓国版を観ていると怒りに燃えてくる。強い気持ちを持ってしても、この作品に強い愛は持てなくなってくる。韓国版と比べると、ヒロインの転校初日のシーンからラストまで、カメラ割りが一緒なのだ。まず、その時点で「工夫」がされていない。サブカルチャーです。懐かしいでしょ?という目配せに紛れ、大根仁監督は怠けているように見える。原作に対して愛を持っていないように見えるのだ。また1990年代サブカルチャーの描写が描かれており、これが90年代だ!といっているが、いやいやそこには90年代はなかったぞ!下手に韓国版の荒々しい感じを継承しているので、この世の終わりのような学級崩壊っぷりを魅せられてもリアルだとは思わないし、その荒れ狂った世界を美化しようとしていることに疑問を抱く。韓国版は学生闘争の時期を描いていたからこそ説得力があっただけに、大根仁監督に、これぞサブカルだ!これぞ90年代だ!と言わないでくれと叫びたくなりました。

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7.散り椿(2018)

監督:木村大作
出演:岡田准一、西島秀俊、黒木華、池松壮亮、麻生久美子etc
鑑賞環境:TOHOシネマズ海老名

本作は撮影の巨匠・木村大作が全編ロケで撮影したことで話題になったのだが、かつての映像の美しさはここにはなかった。『夜叉』の頃にできていた、荒々しく汚い雪景色での戦いを美しく見せる高等テクニックも本作には組み込まれておらず、ただ汚い画が続く作品であった。それだけならまだしも、主人公の心情や登場人物の立ち位置を一々セリフで説明してしまうダメダメ脚本の例を余すこと魅せてしまう事態になっていた。そして極め付けは、散り椿前での決闘シーン。あれだけロケーションにこだわっていたにも関わらず、最後の椿のは、開花時期に撮影が間に合わず、造花を前にして撮影したのだ。なので、最後の椿に生の気がなく、妥協妥協の結果、駄作の落ち武者に成り果てた作品となってしまいました。

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6.あるフィリピン人家族の創生(Ebolusyon ng Isang Pamilyang Pilipino,2005)

監督:ラヴ・ディアス
出演:Elryan de Vera,Angie Ferro,Pen Medina,Marife Necesito etc
鑑賞環境:MUBI

今年はラヴ・ディアスの映画を沢山観た。彼の作品は毎回3時間を超えてくるので体力勝負。でも、その長さが結構好きだったりする。そんなブンブンが、許せなかったのはこの10時間にも及ぶ作品。本作はまるでマインドマッピングした後のホワイトボードをそのまま観客に魅せているような作品だ。なので、いつもキレッキレなラヴ・ディアスの画は玉石混合となっている。超長い映画の場合、観客に相当な体力を強いるので、その時間に意味を持たせる必要があるのだが、この作品には全くなく、苦痛でたまらない作品でした。 ちゃんとホワイトボードに書かれたネタを整理してから観せてくれ!

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5.マンマ・ミーア!ヒァ・ウィー・ゴー(Mamma Mia! Here We Go Again,2018)

監督:オル・パーカー
出演:アマンダ・サイフリッド、ピアース・ブロスナン、ドミニク・クーパー、コリン・ファース、アンディ・ガルシア、リリー・ジェームズ、ステラン・スカルスガルド、シェール、メリル・ストリープetc
鑑賞環境:TOHOシネマズ上野

1作目だって話としてはどうかしているが、あれは完璧すぎるセットリスト、そして凶悪な話にも関わらず最強の陽のパワーで明るい話に押し切るパワープレイが興奮を与えてくれる作品であった。要するにドラッグ映画ですよ。それに対して、今回、「そういえば、結局1作目で父が誰かみたいな話けch白ついていなかったよね?」と蒸し返す。そこにはもう、あの頃のギラギラしたものはなかった。ABBAの他の曲をフィーチャーしようとするあまりに、セットリストがぎこちなくなり、ドンドン瓦解している。1作目はブンブンを映画沼に導いた思い出の作品だけに、お葬式のように「早く終われ、早く終われ」と念仏を唱えてました。

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4.グレイテスト・ショーマン(The Greatest Showman2018)

監督:マイケル・グレイシー
出演:ヒュー・ジャックマン、ザック・エフロン、ミシェル・ウィリアムズ、レベッカ・ファーガソン、ゼンデイヤ、ポール・スパークス、バイロン・ジェニングス、ベッツィ・アイデムetc
鑑賞環境:TOHOシネマズ海老名

本作は音楽のパワーだけで押し切った作品だ。ただそれだけなら『ボヘミアン・ラプソディ』だってそうだが、本作の場合誠実さに欠ける作品となっている。なんたって、フリークスが下品なバーナムのサーカスでもって居場所を見つけるというモラルの境目を描いているにも関わらず、このフリークスをまるで背景モブキャラのようにしか使っていない。唯一、ヒゲモジャな女性歌手だけはフィーチャーされていたものの、他は無視である。そして肝心なミューカルシーンは安いバズビー・バークレーの真似事止まりであり、サーカスの立体性を映画に落とし込むことすらできていない。しまいには、サーカスの仲間が「おうちに帰ろう、一緒に帰ろう」と悲しみにくれるバーナムを前に歌い踊るのだが、次のシーンでバーナムは仲間見捨てて一人で帰るのだ。あまりのサイコパスな作りにゲンナリしました。まあ歌はいいんだけどねぇ…

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3.菊とギロチン(2018)

監督:瀬々敬久
出演:木竜麻生、韓英恵、東出昌大、渋川清彦etc
鑑賞環境:テアトル新宿

本作は、女性相撲とアナーキストの活動、どちらを描きたいのか軸が定まっていないので空中分解してしまった。見世物としての女相撲があり、見世物なんだけれどもそこに居場所を見つけていく女性たちの生き様がアナーキストたちの騒乱によって掻き乱されてしまった印象が強い。そして、エンドタイトルが出た後、ダラダラと映画を続けてしまうところに大きなストレスを感じた。こう聞くと『グレイテスト・ショーマン』の方が上位な気がするが、実は映画外の体験がこの作品をさらに嫌いにしてしまいました。それは本作の上映後トークセッション。男優は壇上に上がるのだが、女相撲を演じた女優たちは客席の方に追いやられて、キラキラ要員としてマネキンのように扱われていたのだ。折角、差別の話を描いているにも関わらず、製作陣に大きな差別があったように感じてしまい胸糞が悪くなりました。だから3位にランクインしました。

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2.映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ(2017)

監督:石井裕也
出演:石橋静河、池松壮亮、松田龍平、市川実日子etc
鑑賞環境:ユーロスペース渋谷

詩を映画にすることを石井裕也監督は勘違いしている。いくら心の声だからとは言え、詩をそのまま台詞としてトレースにトレースを重ねるのは宜しくない。何故ならば、映画、それも現代劇として考えた際、台詞は口語で語られなくてはいけないからだ。ファンタジーの世界であれば、アニメであれば文語体で物語を進めるのに違和感はないが。リアリズムが浮き彫りになる現代劇において文語体で語ると、非常にダサく見えてしまう。

同じく詩を扱った映画『パターソン

』と比較してみると良い。あちらは、日常シーンは普通の会話だ。詩を作る過程を強調する為にのみ詩的表現を使っている。だからこそ、退屈な日々に差し込む変化の陽光が美しかった訳だ。本作は、ただただ原文を羅列しており、詩とは何かという洞察力に欠けていた。だから、池松壮亮と石橋静河の演技が下手に見えてしまう。特に池松壮亮は魅せ方変えればめちゃくちゃ上手かった筈なので残念だ。

二つ目に、映画的表現に迷いがあるということだ。水をレイヤーとして使用したり、池松壮亮扮する片目しか見えない土方から見る世界を、画面2分割で分けるといった斬新な表現が多用されているが、どれも見かけ倒しの薄っぺらいものだ。取って付けたかのような地震描写もやるならやる、やらないならやらないとしっかり決めてほしい。地震を簡単に哀しみの表現として使わないでほしい。

さて三つ目。リア充爆発しろ系映画としての爆発力がないということだ。コミュ症を極めた片目の土方と根暗な看護婦面倒臭い2大巨塔が、世の中の愚痴を言うだけ。放射能、貧困、障がい、ヒエラルキー。リア充カップルを見るや否や「死ね」と言わんばかりの負のオーラを出す。この映画はアクションやドラマティックな展開にこの負の掃き溜めをぶつけない為、観ている方はおめぇらこそ死んじまえ!と叫びたくなる。

ってことで終始フラストレーション溜まりまくった作品でした。

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1.友罪(2018)

監督:瀬々敬久
出演:生田斗真、瑛太、佐藤浩市、夏帆、山本美月etc
鑑賞環境:TOHOシネマズ ららぽーと横浜

今年の瀬々敬久監督は全く合わなかった。昨年『8年越しの花嫁』という意外すぎる大傑作を生み出したというのに。本作は『ヘヴンズ・ストーリー』寄りの話、監督の得意ジャンルの筈。交通事故、殺人、イジメetc…凄惨な出来事によりバラバラになった人々が自ら命を絶つことをせず、地を這うように生きる様を描いているのだが、群像劇として不協和音しかないのだ。それぞれのエピソードが中途半端なタイミングで入れ替わる。しかし、瑛太と生田斗真の工場パート以外がお通しレベルの薄さ。特にジャーナリストの女パートと、佐藤浩一のタクシー運転手パートが全く不要な程物語として機能していない。にも関わらず、まるでクラスのはぐれ者が無理矢理グループに入ろうとするようにグイグイアピールしていくから空中分解していく。

題材一つ一つは魅力的なのに、何一つ活かされていなかった。『菊とギロチン』と比べると、怒りこそはアチラの方が上だが、映画のクオリティで観た際にはこちらが下出会った。なので今年最凶のワースト映画としました。

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最後に…

今年は、MOTTAINAI作品が多かったと思います。ここにはランクインしませんでしたが、『キングスマン:ゴールデン・サークル

』や『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー

』、『ニセコイ

』などといった、素材は題材は面白そうなのに、調理を誤った作品がやたらと多かった印象がある。今年のワーストテンは、どれもいいところはある。やり方によって傑作にできた作品ばかりだ。それだけに見終わった後、歯痒さが残ることが多かった。というわけで2018年のブログ記事はこれで終わります。来年も『チェ・ブンブンのティーマ』よろしくお願いします。

1位:友罪
2位:映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ
3位:菊とギロチン
4位:グレイテスト・ショーマン
5位:マンマ・ミーア!ヒァ・ウィー・ゴー
6位:あるフィリピン人家族の創生
7位:散り椿
8位:SUNNY 強い気持ち・強い愛
9位:来る
10位クソ野郎と美しき世界

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