【毎週インド映画11】『シャー・ルク・カーンのDDLJラブゲット大作戦〜花嫁は僕の胸に』驚異の20年ロングラン

シャー・ルク・カーンのDDLJラブゲット大作戦〜花嫁は僕の胸に(1995)
原題:दिलवाले दुल्हनिया ले जाएँगे
英題:Dilwale Dulhania Le Jayenge

監督:アディティヤ・チョープラー
出演:シャー・ルク・カーン、カジョールetc

評価:40点

インド映画といえば、日本人はラジニカーントの『ムトゥ 踊るマハラジャ』を思い浮かべるが、映画史でいえばシャー・ルク・カーンの『シャー・ルク・カーンのDDLJラブゲット大作戦〜花嫁は僕の胸に』の方が重要だ。邦題史上最悪な本作は、『死ぬまでに観たい映画1001本』にも掲載されている。なんたって20年もロングランしたのだから。(余談だが、『死ぬまでに観たい映画1001本』にはアディティヤ・チョープラーの父ヤシュ・チョープラー監督の『DEEWAAR』も掲載されている。)

8年ロングランした『マクナイーマ』や『炎SHOLAY』とは格が違います。

長らく鑑賞困難であったのだが、先日発売されたシャー・ルク・カーン ブロックバスターDVD-BOXに入っていたので購入してみた。

『シャー・ルク・カーンのDDLJラブゲット大作戦〜花嫁は僕の胸に』あらすじ

1995年から20年もロングランした伝説のボリウッド映画。ロンドンで暮らすシムランは故郷の掟で、顔も知らぬ男と結婚する日が近づいていた。シムランは最後の頼みとしてロンドン1ヶ月旅行をお願いする。こうしてロンドンに旅だった彼女は旅先で運命の人ラージと出会う…

なんでこんなにロングランしたのだろう

残念ながら、『ムトゥ 踊るマハラジャ』や『バーフバリ 王の凱旋

』のミュージカルパート好きなブンブンには合わなかった。言うなれば、『ムトゥ 踊るマハラジャ』『バーフバリ 王の凱旋』がロックオペラなら、こちらはフレッド・アステア系だ。ベタで甘ったるく、曲も頭に残らない3時間のメロドラマでした。ただ、ロケーションの面白さはある。1990年代、インドではケーブルテレビ、衛星TVにより音楽業界が栄え、その影響で映画界に人々が集まるようになった時代。インド映画も、MTVのような映画を作ろうとしていた。本作のミュージカルパートはかなりMTVを意識しており、豪華絢爛、時には雪山で半袖になりながら歌い踊り狂う。ミュージックビデオの持つ現実逃避としての娯楽の側面を最大限生かした演出が特徴的となっている。

ただなんで20年も流行したのだろう?

ひょっとして、半世紀以上前に日本で社会現象になった『君の名は

』(アニメではないよ)に鍵が隠されているかもしれない。『君の名は』は、当時ラジオが普及しており、ラジオ連続ドラマの面白さを多数の観客と共有したいという気持ちが人々を劇場に向かわせたのであろう。本作はケーブルテレビで流れるミュージックビデオ、この面白さを共有したいという想いがあったのであろう。そして話も、老若男女楽しめるある種のシンデレラストーリー。インドでは掟が厳しい。男尊女卑も激しい。それに歯向い、ロンドンにまで行ってしまうヒロイン像は多くの者を勇気付けたであろう。

とはいえ、正直20年のヒット、どうかしていますw

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