【東京国際映画祭】『真昼の女』それは省略ではなくただの雑

真昼の女(2023)
原題:Die Mittagsfrau
英題:Blind at Heart

監督:バーバラ・アルバート
出演:モーラ・エムデ、マックス・ボン・デル・グレーベン、トーマス・プレン、リリアーネ・アムアトetc

評価:10点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

第36回東京国際映画祭コンペティション作品『真昼の女』を観た。

『真昼の女』あらすじ

オーストリアを代表する女性監督バルバラ・アルベルトが、注目のドイツの作家ユリア・フランクの小説を映画化した作品。従軍看護師として働く女性が不幸な結婚の末に自らの生き方を模索するプロセスを描く一代記。

第36回東京国際映画祭より引用

それは省略ではなくただの雑

自分が参加しているみんなの星評で異様に評価が悪かったのですが、それも納得なできであった。第二次世界大戦中、看護師でとして生き抜くためにナチス男と付き合うこととなる。しかし、彼はDV男出会ったためレイプされ子どもを授かる。彼女は子どもを殺したり捨てようとするのだがなかなかできないといった内容。

2時間20分くらいある作品にもかかわらず展開があまりにも雑なのが特徴的だ。なんといっても子どもの成長が早すぎるのだ。赤子を殺そうとする場面が終わると、子どもは話ができるレベルにまで成長している。そして、駅で捨てて5分後ぐらいに青年になった彼が彼女に会いに来るのだ。行間を読めといってもあまりにも間が空いているし、この物語の焦点は子どもとの関係ではなかったのか?

つまり、本作は省略をしているのではなくただ単に展開が雑な映画であり、物語の退屈さもあって凶悪な作品に仕上がっていた。

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※第36回東京国際映画祭サイトより引用