【東京国際映画祭】『アートカレッジ 1994』超スローモーションなリンクレイター映画

アートカレッジ 1994(2023)
原題:艺术学院
英題:Art College 1994

監督:リウ・ジアン
出演:ジャ・ジャンクーetc

評価:40点

第36回東京国際映画祭で中国のアニメ『アートカレッジ1994』を観た。中国のアニメは今注目しており、同じ日に観た『深海レストラン』が非常にレベルの高い作品で満足していた。一方で、こちらの作品はクセが強すぎて困惑することとなる。

『アートカレッジ 1994』あらすじ

1990年代初頭の中国で美術大学に通う学生たちの姿を描く。中国社会が大きく変化するなか、学生たちは創作し、議論し、悩み、恋をするが、そうした日々に終わりが迫ってくる。

第36回東京国際映画祭サイトより引用

超スローモーションなリンクレイター映画

本作は監督の自伝的な作品らしく、芸術大学で自分のスタイルを見出せずダラダラとモラトリアムに生きる大学生たちが描かれている。画の動きは少なく、アニメである必然性を抱きにくい。スノッブになりそうなインテリゲンチャなワードや理論を並べていく中で、それが嫌味にならずユーモアとして昇華できており、超スローモーションなリチャード・リンクレイター映画として観ると段々面白く感じてくるのだが、いかんせん飲み込みづらい内容すぎて困惑しているうちに映画が終わってしまったという印象が強かった。

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※第36回東京国際映画祭サイトより引用