リトル・パレスティナ(2021)
Little Palestine, Diary of a Siege
監督:アブダッラー・アル=ハティーブ
評価:70点
おはようございます、チェ・ブンブンです。
山形国際ドキュメンタリー映画祭2021、アジア千波万波にて小川紳介賞を受賞したシリアのパレスティナ人難民キャンプドキュメンタリーを追加上映で観ました。吐きそうになるほど凄惨な現実を突きつけられました。
『リトル・パレスティナ』概要
シリアのパレスティナ人難民キャンプの生活。シリア情勢の悪化から道路は遮断され、食料も底をつき、爆撃で命を落とす人も絶えない。人々はただ歩くしかない。
※山形国際ドキュメンタリー映画祭サイトより引用
何もなければ、サボテンを、道草を、水に溶かしたスパイスを飲むしかない…
シリア、パレスティナ難民キャンプ。情勢悪化により道路は遮断されてしまう。人々は爆撃に怯えながらなんとか生きる道を探すが、政府の物資支援がないので、もはや食べる物がない。母親は栄養不足で乳からミルクが出なくなってしまい、少年は瓦礫の中に埋まっているチョコレートのようなものを拾って食べようとしている。男はサボテンを売り捌き、「その時が来たら、その場で犬を掻っ捌いて食べてやるよ」と言い放つ。
凄惨な状況下で、ナレーションは囁く。貧しさから内なる悪に肉体を支配される。これだけは避けようと人々が足掻いているということを言わんとしている。
そんな極言状況下で、人々が立ち上がり抗議の声を上げたり、水にスパイスを入れたものを分け与えたり、雪降る街の中、どうにかして出口を探したり、道草を刈り取って食べようとしたりする。生への渇望が90分近くに渡って展開されるのだ。
この光景はあまりにも強烈で、酷くて、私は直視することができませんでした。
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※山形国際ドキュメンタリー映画祭サイトより画像引用