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もくじ
- 1 71位:さらば青春の光(1979) QUADROPHENIA
- 2 72位:アクト・オブ・キリング(2012) The Act of Killing
- 3 73位:ボディ・スナッチャー/恐怖の街(1956) Invasion of the Body Snatchers
- 4 74位:楽日(2003) 不散/Goodbye, Dragon Inn
- 5 75位:パプリカ(2006) Paprika
- 6 76位:愛のむきだし(2008) LOVE EXPOSURE
- 7 77位:はなればなれに(1964) bande a part
- 8 78位:縮みゆく人間(1957) The Shrinking Man
- 9 79位:霧の中の風景(1988) Τοπίο στην ομίχλη
- 10 80位:少女ムシェット(1967) MOUCHETTE
- 11 →BACK:1~10位
- 12 →BACK:11~20位
- 13 →BACK:21~30位
- 14 →BACK:31~40位
- 15 →BACK:41~50位
- 16 →BACK:51~60位
- 17 →BACK:61~70位
- 18 →NEXT:81~90位
- 19 →NEXT:91~100位
- 20 →NEXT:殿堂入り作品リスト
71位:さらば青春の光(1979)
QUADROPHENIA
監督:フランク・ロッダム出演:フィル・ダニエルズ、
スティングetc
“The Real Me”で始まり、”Doctor Jimmy”で終わる。これだけで本作がいかに傑作なのかがよく分かる。The Whoのロックオペラの映画化。周りは定職につき、不良から足を洗う中、主人公だけがカフェに通いピンボールで時間を潰し、スクーターを爆走させる。青春に取り残された青年の悲哀が、The Whoの心揺さぶる音楽によって増幅される。まさしく、《さらば青春の光》を描いた作品だ。
72位:アクト・オブ・キリング(2012)
The Act of Killing
監督:ジョシュア・オッペンハイマー
トンデモナイドキュメンタリー。撮影班は、インドネシアに潜入。そして虐殺したヤクザに、その再現映画を作らせる。ホンモノの『地獄でなぜ悪い』だ!道徳を超越した、超不謹慎で危険な世界から、観たこともないような人々の心のゆらぎが浮き彫りにされる。続編の『ルック・オブ・サイレンス』と併せて鑑賞することをおすすめする。
73位:ボディ・スナッチャー/恐怖の街(1956)
Invasion of the Body Snatchers
監督:ドン・シーゲル出演:ケヴィン・マッカーシー、ダナ・ウィンターetc
本作は何度もリメイクされており、面白いことにそれぞれが独特なタッチを持っているので、好きだ。フィリップ・カウフマン版の不気味さ、や『インベージョン』の白い気持ち悪さも好きだが、やはり1作目には敵わない。植物から、ヌルッと出てくる複製人間。知らず知らずのうちに、人間が駆逐されていき、マイノリティとしてビクビクいきなければならない気持ち悪い怖さ、これが堪らない。
74位:楽日(2003)
不散/Goodbye, Dragon Inn
監督:ツァイ・ミンリャン出演:チェン・シャンチー、リー・カンション、三田村恭伸etc
かつては栄えていたであろう映画館の終焉。そこではかつて大ヒットしたキン・フーの映画『残酷ドラゴン 血斗竜門の宿』が流れる。ガラガラの映画館で最後のひと時を何気なく過ごす人。何故そこにいるのか分からない日本人。映画館としての魅力がここには甘い果実のように詰まっている。ブンブンが世界の映画館に惹かれるのも、本作が原因。
75位:パプリカ(2006)
Paprika
監督:今敏出演:林原めぐみ、江守徹、堀勝之祐
平沢進の幻想的な音楽が疾走するオープニングで5億点!若くして亡くなった最強のアニメ監督・今敏の素晴らしき幻影空間。アニメならではのぐにゃぐにゃした動きが、夢現な世界をこれ以上になく魅力的に描く。これが実写化すると『インセプション』になります。
76位:愛のむきだし(2008)
LOVE EXPOSURE
監督:園子温出演:西島隆弘、満島ひかり、安藤サクラ、尾上寛之etc
最近の園子温監督作品は苦手なのだが、この時代の彼はギラギラしていた。盗撮王の男の4時間に及ぶ贖罪の旅でどうしてこんなに泣いてしまうのだろうか。全編、カタルシスカタルシスのラーメン二郎。ヱヴァンゲリヲン世代ではないブンブンからすると、これが『愛のむきだし』こそがエヴァだ。園子温よ、もうそろそろこの時代に戻ってきておくれー
77位:はなればなれに(1964)
bande a part
監督:ジャン=リュック・ゴダール(ハンス・リュカス)出演:アンナ・カリーナ、サミー・フレイ、クロード・ブラッスールetc
ゴダールは《映画》という概念を破壊することに執着した監督だ。本作は、ゴダールの《映画あるある》に対する鋭い斬り込みがキレッキレだ。劇中、「1分黙ります」と言ったら、本当に1分間無音になる。銃を人に撃つが、いくら撃っても倒れない。ルーブル美術館を駆け回る。斬新でクールで、素敵な演出しかない宝箱のような作品だ。
78位:縮みゆく人間(1957)
The Shrinking Man
監督:ジャック・アーノルド出演:グラント・ウィリアムズ、ランディ・スチュアートetc
『アントマン』以前、『ミクロの決死圏』以前に極小の世界をどう撮ったのか、この涙ぐましい特撮の知恵にのめり込む。ただ、これはただ身長差、体格差を抜群の特撮で描いただけが売りではない。そこには、深い哲学があった。恋愛感情は、家族というグループは、圧倒的体格差を前に成り立たないということだ。確かに、自然界にはメスが巨大でオスは極小というケースもあるが、体格差が数倍、数十倍、数百倍になるともはやそこには対等な関係の夫婦というものは存在しなくなる。男が縮むごとに社会的立場、尊厳を失っていく姿に恐怖した。
79位:霧の中の風景(1988)
Τοπίο στην ομίχλη
監督:テオ・アンゲロプロス出演:タニア・パライオログウ、ミカリス・ゼーナetc
高校時代に1度は10分で寝落ちしたものの、2度目挑戦し、あまりの壮大なはじめてのおつかいっぷりに興奮した作品。顔も、名前も知らぬ父を探し、少女は弟を連れてギリシャからドイツを目指す。降りかかる様々なトラブル、無賃乗車に無銭飲食、迫り来る怪しいおじさん。あまりのエクストリームさに手汗握った。そして、時が止まったかのように人々が止まる雪の空間を駆け抜ける2人に胸が踊らせられた。
80位:少女ムシェット(1967)
MOUCHETTE
監督:ロベール・ブレッソン出演:ナディーヌ・ノルティエ、ポール・エベール、マリア・カルディナールetc
ブレッソンの映画を観てしまうと、ラース・フォン・トリアーの映画は甘口カレーに感じてしまう。本作は、病弱の母にDVアル中の父を持ち、学校に行くや否やゴミを投げつけられる悲しき少女ムシェット。彼女の、一切救いのない日々が描かれる。本作を観ると、夢の世界にすら逃避することを許さないブレッソンの鬼畜っぷりに涙目になります。