天国への階段(1946)
A MATTER OF LIFE AND DEATH
監督:マイケル・パウエル、エメリック・プレスバーガー
出演:デヴィッド・ニーヴン、キム・ハンター、レイモンド・マッセイ、ロジャー・リヴセイ、ロバート・クートetc
評価:60点
おはようございます、チェ・ブンブンです。
「死ぬまでに観たい映画1001本」掲載のパウエル=プレスバーガー映画を観た。パウエル=プレスバーガー映画は私にとって天敵で「死ぬまでに観たい映画1001本」フルマラソンする上で定期的にやってくるボスキャラのような存在である。終盤まで残りに残ったパウエル=プレスバーガー映画だが、初めて面白いと感じた作品であった。
『天国への階段』あらすじ
第二次大戦中、敵弾を受けて帰還中の飛行隊長(デイヴィッド・ニーヴン)の無電を、アメリカ婦人部隊の女兵土(キム・ハンタ-)が受信した。生と死の境の会話で、二人は互いに愛をおぼえるのだが、ニーヴンの爆撃機はついに英国沖で墜落した。落下で脱出した彼は、海岸に泳ぎつき、偶然彼女にめぐりあう。
登って降って迷える魂
生死を彷徨う男を、カラーと白黒で描き、時に天国パートに色彩を加えることで虚実を曖昧化させる独特な演出で描かれた作品。天国パートのセットがとても面白く、丸い穴がたくさん空いた空間や、移動式階段を登り降りさせることで生死の境界線を描く演出、そして突然人々が静止する状況に惹き込まれた。そして何よりも『ソウルフル・ワールド』は明らかにこの映画を主軸に置いていることに気付かされたのが大きな発見であった。『ソウルフル・ワールド』も生死の狭間を描く作品であるが、本作に登場する階段と類似のものが登場し、登り降りを通じて生への渇望を表現しているのだ。また、宇宙から見た地球像も『天国への階段』でバッチリ描かれている。アニメ映画における引用はベタであることが多いのだが、パウエル=プレスバーガーの本作を参考していたのではと考えるとずいぶんと渋いなと感じた。最後に、現実パートで瞳視点で瞼が閉じていく場面のグロテスクさが唐突でこれまた気に入った部分であった。残り16本。
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※MUBIより画像引用