【 #死ぬまでに観たい映画1001本 】『赤ちゃん泥棒』うわっ!前から車が!店員が!犬が!

赤ちゃん泥棒(1987)
RAISING ARIZONA

監督:ジョエル・コーエン
出演:ニコラス・ケイジ、ホリー・ハンター、トレイ・ウィルソンetc

評価:100点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

「死ぬまでに観たい映画1001本」掲載のコーエン兄弟映画『赤ちゃん泥棒』を観た。コーエン兄弟の映画はなんだかんだ、そこまでハマったことはないのだが、本作はまさかまさかのコーエン兄弟最高傑作であった。また、ニコラス・ケイジ映画としてもサイコーでした。荒唐無稽の極みな本作を「死ぬまでに観たい映画1001本」フルマラソン終盤まで残していた自分偉い。デザート映画として輝いていたのであった。

『赤ちゃん泥棒』あらすじ

「ブラッド・シンプル」のジョエル&イーサン・コーエン兄弟が、ニコラス・ケイジとホリー・ハンターを主演に迎えて手掛けたアクション・コメディ。元強盗の夫と元警察官の妻。子宝に恵まれず悩んでいた2人は、ある大富豪の家に5つ子が誕生したことをテレビで知り、そのうちの1人を奪って逃走する。赤ちゃん泥棒はひとまず成功したものの、夫の刑務所仲間や赤ちゃんを狙う賞金稼ぎが次々と現れて連鎖的に事件が起こり……。

映画.comより引用

うわっ!前から車が!店員が!犬が!

饒舌な語りでニコラス・ケイジ演じる悪党ハイ・マクダノー(ニコラス・ケイジ)と警察エドウィーナ・マクダノー(ホリー・ハンター)の出会いと悲劇が語られる。ポール・トーマス・アンダーソン『マグノリア』並みのマシンガントークとカット割によって一気に惹き込まれる。子どもが授かれないことを知り、失意に暮れる夫婦の前に、家具会社のオーナーが5つ子を授かったニュースが舞い込んでくる。やむ得ず誘拐をするのだが、夫婦の前に絶賛脱獄中の仲間やマッドマックスの世界の住民と思しき賞金稼ぎが現れ、赤ちゃん争奪戦が勃発する。

ニコラス・ケイジの絶妙に二流な風格がたまらない。修羅場を呼び寄せそうなチャラさとガバガバさが当然ながら、修羅場を引き起こす。しかし、赤ちゃん、妻のためなら逃げずに立ち向かうナイスガイだ。例えば、銃をぶっ放して追いかけてくるコンビニ店員と警察から逃げる場面。おむつを落とすのだが、なんとかして回収を試みようとするあたりに家族想いが滲み出ている。また、マッドマックスおじさんに追われるエドウィーナに対して、死角から板で返り討ちにする。彼女は逃げてしまうも、それには怒らず、目の前の敵を倒すことに専念するあたりにカッコよさを感じるのである。このマッドマックスおじさんとの死闘場面は本作屈指の名場面であろう。赤ちゃんを誘拐しても、去るのではなく、確実にハイを抹殺しようとバイクで戻ってくる彼のラスボス感。間一髪で飛んでくるナイフを受け止める。強烈な殴打の応酬に怯むことなく、逃げつつ、相手の弱点を模索する。ようやく撃退した時の爽快感は感動すら生む。

さらに、本作では複雑な追う/追われるの関係性を描いている。コンビニ強盗をする場面。油断していると、店員がゴツい銃で撃ってくる。警察もハイを狙って銃撃する中、全力で逃げるのだが、そこに犬まで参戦してくる。スーパーでは、店員やおばちゃんまで参戦してきて混沌とする。死角を使ってこれを切り抜けていく場面は、『カウボーイビバップ 天国の扉』のコンビニアクションに匹敵するものがあった。映画っていいですねと言いたくなる作品であった。

P.S.今、公開されたら逆走爺MADが作られるぐらい、うわっ!前から車が!素材に溢れた作品だったな。

※IMDbより画像引用

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