【 #死ぬまでに観たい映画1001本 】『歴史は女で作られる』ハリボテの煌びやかさに骨を埋める

歴史は女で作られる(1956)
Lola Montes

監督:マックス・オフュルス
出演:マルティーヌ・キャロル、ピーター・ユスティノフ、アントン・ウォルブルック、オスカー・ウェルナー、ウィル・キャドフリーグ、ポーレット・デュボストetc

評価:70点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

「死ぬまでに観たい映画1001本」掲載のマックス・オフュルス作品を観た。マックス・オフュルス監督はあまりピンとこないのだが、本作はかなり楽しく観ることができた。

『歴史は女で作られる』あらすじ

「輪舞」(1950)のマックス・オフュルス監督が、19世紀に実在した美貌の踊り子ローラ・モンテスの恋の遍歴をテクニカラーの華麗な色彩とシネマスコープのスケール感あふれる映像で描いた大作。1956年フランス映画界では最大級の製作費が投じられた作品だったが、スタジオ側が監督の意図とは異なる編集を勝手に施したことで波紋を呼び、興行的にも失敗してしまった“呪われた傑作”としても知られる。19世紀パリ。不遇な少女時代を送ったローラ・モンテスは、サーカス団の踊り子となり、数々の男と浮名を流していく。やがてババリアへたどり着いたローラは、国王ルイ1世を虜にする。2011年、デジタルリマスター版でリバイバル。

映画.comより画像引用

ハリボテの煌びやかさに骨を埋める

テクニカラーによる色彩豊かなサーカスのスペクタクルを長回しで撮る。カメラが移動すると大勢のキャストがパフォーマンスをしている。上下運動するシャンデリアが画を盛り上げる中、MCが堂々とした立ち振る舞いで演説をする。今宵のヒロインはローラ・モンテスだ。彼女はドレスを纏う。スペクタクルは虚構だ、ある種のハリボテだ。その中で彼女は、回想する。自由を求めて旅をする。そこには混沌がある。しかし、彼女はいつだって豪華絢爛な服を着て、欲望に身を任せていた。その終着点がサーカスなのである。現実からある意味目を背け自由を求めて逃げ回った末路としてのサーカス。だが、それは我々から見て哀れに感じるだけあって、彼女からすれば桃源郷に辿り着いたようなものだ。煌びやかだからこそ辛辣に見える彼女の生き様が120分描かれていた。

本作はアイリスイン/アイリスアウトを四角の画郭で持って表現している特徴がある。空間が四角系であることを活かすべく、正方形から横長に広がったりその逆を行ったりしていて面白い。丸画面は「覗き込み」の印象を与えるが、四角は「世界の広がり」を演出することができると観た。

「死ぬまでに観たい映画1001本」終盤まで後回しにしていたが、観て正解であった。残り17本。

※映画.comより画像引用

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