【東京国際映画祭】『ラ・ハウリア』うん、マジックリアリズムだね。

ラ・ハウリア(2022)
La Jauría

監督:アンドレス・ラミレス・プリード
出演:ジョジャン・エステバン・ヒメネス、マイコル・アンドレス・ヒメネス、ミゲル・ビエラetc

評価:20点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

第35回東京国際映画祭ワールド・フォーカス部門で上映された『ラ・ハウリア』を観た。中南米のマジックリアリズム系の映画とは割と相性が悪く、嫌な予感がしていたのだが見事に的中してしまった。

『ラ・ハウリア』あらすじ

カンヌ映画祭批評家週間グランプリを受賞した作品。軽犯罪を犯して森の中の更生施設に送られた少年が目撃する異様な出来事を描く。

※第35回東京国際映画祭サイトより引用

うん、マジックリアリズムだね。

中南米のマジックリアリズム系の映画は、村みたいな閉鎖的な空間で近代以降の道具、例えば銃とか車とかが出てくるのだが、突然呪術的なものが混ざる異様な光景が描かれるイメージがある。そして、質感はねっとりと観る者の眼にへばりつく印象がある。そして、割とこの手の演出が苦手だったりするのだが、まさしく的中してしまった。

ひたすら翳りある緑の空間で怪しげな閉塞感ある様子が展開されるのだが、ワールドシネマとして映画祭で出品されるような中南米映画でよくみる光景が提示されているだけのように思えて、早々から退屈に感じてしまう。そのまま約90分駆け抜けていくわけだが体感時間が悪い意味で5時間となってしまった。とはいえ、面白かった場面もある。おじさんが顔をぶるぶるさせながら儀式を始める場面。静なる構図が多い中、数少ない動なる場面でありそれが良きアクセントになっていた。ただ、それ以外に語る言葉を私は持たない。

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※第35回東京国際映画祭サイトより画像引用