私の帰る場所(2021)
Lead Me Home
監督:ペドロ・コス、ジョン・シェンク
評価:60点
おはようございます、チェ・ブンブンです。
第94回アカデミー賞短編ドキュメンタリー映画賞にノミネートされたNetflix映画『私の帰る場所』を観ました。なお監督のペドロ・コスは『グレート・ハック SNS史上最悪のスキャンダル』の脚本を務め、ジョン・シェンクは『オードリーとデイジー』の監督を務めている。どちらもNetflixドキュメンタリーを手掛けている注目の人である。
『私の帰る場所』あらすじ
アメリカ西海岸地域のホームレス問題に光を当てた痛切なドキュメンタリー。ホームレス生活を送る人々の素顔に迫り、深刻化する人道的危機の現状を映し出す。
ホームレスを救え!
高騰する生活費、病気等の問題を抱えていると簡単にホームレスになってしまうアメリカ社会。路地裏や道の真ん中にテントを立てて、困窮するホームレスと支援する団体の活動を追っている。ホームレスの口からは、自分がホームレスであることに恥じらいを感じ、子どもたちを悲しませないようにする声や、家と違って簡単に奪うことのできない車を求める声などが集められている。
それに対して支援団体は動く。ホームレスのコミュニティづくりに尽力したり、ホームレスが束の間の休息が取れるように、最先端のデバイスを使ったブースを設けたりしている。一方で、道路をホームレスが選挙することにより、風紀が悪くなることに対し市民から反発の声が上がる。
エミリオ・エステベス『パブリック 図書館の奇跡』やフレデリック・ワイズマン『ニューヨーク公共図書館』の中で、公共の場とホームレスの対立を描いていた。本作は、問題を多面的に描いている一方で、その事象が単に並べられているだけのように見える。議論が映画の中でされていないように見えた。しかし、空中から道路を写した際に見える、雑然としたホームレスの微かな居場所から事態の深刻さが伝わるところは評価に値すると思う。
本作を見ると、2000年代前半まで上野ではホームレスの集落があちこちにあったのに、いつの間にか都市開発で消滅していた。新宿や渋谷からもホームレスが消えたように見えるのだが、彼らはどこへ行ってしまったのだろうか?これはこれで別の問題がありそうだ。
※Netflixより画像引用
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