A MAN AND A CAMERA(2021)
監督:Guido Hendrikx
評価:0点
おはようございます、チェ・ブンブンです。
CPH:DOXで折角だから知らない監督の謎の映画を観ようと『A MAN AND A CAMERA』を観ました。本作は64分しかないこともあり、厳つい映画の箸休めに観たのですが、これが衝撃の映画でありました。
『A MAN AND A CAMERA』概要
How can it be so difficult to describe a film that is as simple as this cannonball of a provocative documentary without revealing why it is also so insanely transgressive, nerve-wracking and hilarious? And how many documentaries start as a horror film and end as a deadpan feel-good comedy? ‘A Man and a Camera’ is exactly what the title says it is. We are in a small village. A man walks around with a video camera. We only see the things – and the people! – that he films silently, right inside people’s own homes. Guido Henrikx (‘Stranger in Paradise’, CPH:DOX 2017) reduces his film to a performative rock bottom, and from here, the actual film is created by the people who involuntarily end up participating in it. An interventionist gesture and an in-your-face strategy, which is constantly at risk of tipping over in its passive-aggressive play with social norms and codes – not least in the power balance between filmmaker and those being filmed. This year’s black sheep in the CPH:DOX programme and a brilliant satire on documentary filmmaking itself.
訳:この挑発的なドキュメンタリーの大砲のようにシンプルな映画を、なぜこれほどまでに攻撃的で、神経を逆なでするような、そして陽気な作品なのかを明らかにせずに説明することが、これほどまでに難しいことなのだろうか?また、ホラー映画として始まり、死んだように気持ちのいいコメディとして終わるドキュメンタリーがどれほどあるだろうか?A Man and a Camera」は、まさにタイトル通りの作品です。私たちはある小さな村にいます。男がビデオカメラを持って歩き回っている。私たちが見ているのは、彼が静かに撮影しているもの、そして人だけです。- 私たちが見るのは、彼が人々の家の中で静かに撮影している物と人だけです。グイド・ヘンリクス(「Stranger in Paradise」、CPH:DOX 2017)は、自分の映画をパフォーマティブなどん底に落とし、ここから実際の映画は、不本意ながらそれに参加することになった人々によって作られる。介入的なジェスチャーと顔の見える戦略は、社会的な規範やコードとの受動的な遊びの中で、常に転倒する危険性をはらんでいます-特に、映画製作者と撮影される人々の間のパワーバランスにおいて。今年のCPH:DOXプログラムの黒羊であり、ドキュメンタリー映画制作そのものへの見事な風刺でもあります。
※CPH:DOXより引用
許可なく人を撮ってみたww
カメラを持った男Guido Hendrikxは田舎町を彷徨う。そして街行く人をカメラで捉え続ける。当然ながら、撮られている方は困惑する。「何をしているのだ?」「これは何かのドッキリなのか?」「これにどういう意味があるのか?」人々は彼に問いかける。しかし、彼は沈黙したままでカメラを向け続ける。
この挑発的奇行はどんどんエスカレートしていく。彼は片っ端からドアのチャイムを鳴らす。当然ながら人々は出てくるのだが、ここでも彼は目的を一切話さずただ出てきた人を撮るのだ。頭おかしいとドアを閉じる人や、病気なんじゃないかと疑う人、困ったような顔を見せる者、シュールな状況に笑う者もいるが、彼は決して態度を変えず均等にカメラを向け続ける。
しまいには、怒った男に殴られたりするが、それでも彼は反撃することなくカメラを持ち続けるのだ。本作は、ラース・フォン・トリアーの『イディオッツ』のように奇行を通じて、人々の心理を引き出そうとしているようにも見えるし、ドキュメンタリー映画がもつプライバシーの侵害について告発しているようにも見える。
しかし、この手のイタズラはもはやyoutuberがやって炎上するレベルの代物であり、映画監督がドヤ顔しながらやって映画祭に出品するものではない。終盤では、家の中に招き入れてもらい人々の寛容性に興奮しているようにも見え、それがまた悪質だったりする。
こんな映画出品しないでくれとしか思えなかった。
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※CPH:DOXより画像引用