釜山国際映画祭2019で押さえておきたい作品10選

釜山国際映画祭2019で押さえておきたい作品10選

おはようございます、チェ・ブンブンです。

今年も釜山国際映画祭のシーズンがやってきました。昨年初めて参戦したのですが、『バーニング 劇場版』、『ハウス・ジャック・ビルト』、『CLIMAX クライマックス』などといった素晴らしい映画のオンパレードでとても楽しかったです。今年も参加しようとホテルや航空チケットを取っていたのですが、日韓情勢悪化のせいかブンブンのフライトがなくなってしまいました。ってことで、今年は釜山行きを諦め、山形国際ドキュメンタリー映画祭に参加することにしました。

そんな悲しい悲しい釜山国際映画祭ですが、例によって、神ラインナップが発表されました。ってことで、当記事では、もしブンブンが釜山に行ったら何を狙うのかといった視点で10作品程注目作品を紹介していきます。これまた観たい映画ばかりですよ。

釜山国際映画祭2019サイト

1.Family Romance, LLC(ヴェルナー・ヘルツォーク)

『アギーレ 神の怒り』、『フィツカラルド』で有名なニュー・ジャーマン・シネマの鬼才ヴェルナー・ヘルツォークは定期的にドキュメンタリー映画を撮っているのですが、その矛先が日本に向いたとのことで去年から噂されていた作品が遂にその正体を表します。どうやら今回はドキュメンタリーとドラマを混在させるスタイルで冠婚葬祭のサクラを提供する人間レンタル大手ファミリー・ロマンスにフォーカスを向けたようです。東京国際映画祭の作品選定ディレクター矢田部さんによると、ロボットホテルやイタコ、プリクラ、棺桶体験などといった不思議の国ニッポンの文化も取り込んだ闇鍋担っているようです。

2.Joan of Arc(ブリュノ・デュモン)

ヘビメタやラップでもってジャンヌ・ダルクの若かれし頃を描いた『ジャネット、ジャンヌ・ダルクの幼年期』の続編。ブリュノ・デュモン監督は、『プティ・カンカン』以降、デヴィッド・リンチ的世界観を自分のものとし、現在無双中なのですが、『ジャネット、ジャンヌ・ダルクの幼年期』の続編はフランスメディア絶賛の大傑作だそうです。前作とは違って、ミュージカル要素は少なくなったとのことですが、絵画のような空間で繰り広げられるジャンヌ・ダルクVS社会のディスカッション劇はシネフィルの心をガッツリと掴む作品に仕上がっているとのこと。日本ではアンスティチュ・フランセぐらいでしか上映されないブリュノ・デュモン作品だけに、こういった場で押さえておきたい。

3.The Halt(ラヴ・ディアス)

最近、日本でもシネフィルの恒例我慢大会と化している、超スローシネマの鬼ラヴ・ディアスの4時間半に及ぶSF映画。火山の噴火によって闇に包まれた2034年のアジアを舞台にしたドラマ。相変わらず、ビシッと決まったモノクロの世界は観る前から傑作だと物語っています。果たして東京国際映画祭にやってくるのでしょうか?

4.Vitalina Varela(ペドロ・コスタ)

先日、ロカルノ国際映画祭で最高賞、女優賞に輝いたポルトガルのペドロ・コスタ作品。いつもの如くヴェントゥーラさんと、ポルトガル、そこに眠る歴史の記憶をスクリーンに焼き付けるタッチは、熟成されたワインのような奥深さを持っていることでしょう。じっくりじっくり、美味しくなれ美味しくなれと藤岡弘、の如く紡がれた映像の詩に感動を覚えること間違いなしだ。

5.Zombi Child(ベルトラン・ボネロ)

この前のカンヌ国際映画祭はトリッキーなゾンビ映画が2本お披露目となりました。1本目は、ジム・ジャームッシュの同窓会『The Dead Don’t Die』、もう1本は『SAINT LAURENT サンローラン』のベルトラン・ボネロが手がけた『Zombi Child』です。ハイチのゾンビ伝説を基に、奴隷のようにゾンビを農園で働かせた時代と現代をクロスさせていくユニークな物語となっています。

6.A Tale of Three Sisters(エミン・アルペル)

トルコ映画といえば、ヌリ・ビルゲ・ジェイランやセミフ・カプランオールが日本では知られているが、実はトルコ映画の今を背負う監督にはもう一人います。エミン・アルペルは、『Tepenin Ardi』で外からの侵略と内側からの崩壊を絶妙に描き、現地のアンカラ国際映画祭7冠達成後、『Abluka』でヴェネチア国際映画祭監督賞他3冠を達成した実力派です。今回の新作『A Tale of Three Sisters』はベルリン国際映画祭に出品されました。アナトリアに誘拐された3人の少女の物語となっています。最先端のトルコ映画を追うならば観なくてはいけない作品であります。

7.Deerskin(カンタン・デピュー)

フランスのクエンティンといえばカンタン・デピューだ!フレンチエレクトロのDJであるカンタン・デピューはタイヤが人を殺すホラー映画『ラバー』で注目されて以来、クセの強い世界観を放ち続けている。Filmarks界隈では超絶不人気な監督ですが、フランスのカイエ派は評価している模様。そんな監督の新作は、鹿革ジャケットに取り憑かれた男の犯罪を描いた77分の中編映画です。謎に包まれた作品、日本ではアンスティチュ・フランセにすら来なさそうな作品だけに観たいものがあります。

8.I LOST MY BODY(ジェレミー・クラパン)

カンヌ国際映画祭批評家週間でグランプリ、アヌシー国際アニメーション映画祭最優秀作品賞を受賞した作品。切断された手が持ち主を探して冒険する異色作で、アカデミー賞長編アニメーション賞ヨーロピアンアニメ枠ノミネート最有力なのではと囁かれれている作品。ものに触れることで過去がフラッシュバックしていく、ロードムービーの王道を動く片手で演出するって聞いただけでワクワクしてきます。

9.Liberté(アルベルト・セラ)

この前のカンヌ国際映画祭で、フランスメディア支持率0%を叩き出しておきながらもある視点部門審査員賞を獲った、2019年最大の問題作。1774年フランス革命直前を舞台にルイ16世の逃走が描かれるというものだが、噂によれば『ソドムの市』に化けた作品となっているらしい。昨年日本でもアルベルト・セラ作品が一挙公開されたのだが、睡魔を襲う作品たちにイメージフォーラムに集まるシネフィルが爆睡しまくっていたのを覚えています。もちろん、ブンブンも睡魔に敗れました。日本公開厳しそうな作品だけに興味が出てきました。

10.Portrait of a Lady on Fire(セリーヌ・シアマ)

ぼくの名前はズッキーニ』の脚本を手がけ、『トムボーイ』や『BANDE DE FILLES』といった傑作を放つ注目監督セリーヌ・シアマが脚本賞を仕留めた作品。肖像画を手がけることとなった画家がその対象に引き込まれていくレズビアン映画。『トムボーイ』のような繊細な性と感情の揺らぎを捉えた傑作であること間違いなし!

最後に

意外なことに、A24作品が全く選出されておらず『ミッドサマー』を始め『The Farewell』や『The Lighthouse』なんかも来ていません。さらに七人の侍とホステルが融合した話題作『BACURAU』も釜山入りならなかったのは残念に思う。それでも、今年の釜山も激アツだ!釜山に行かれる方はブンブンの代わりに楽しんで来てください!!

釜山国際映画祭2019サイト

関連記事

【釜山の映画館】CGVセンタムシティのSTARIUMスクリーンを堪能してきた
【釜山の映画館】釜山シネマ・センターHaneulyeon Theaterでオールナイト上映
【釜山の映画館】Lotte Cinema Centum Cityドリンクホルダが動かせる!!
【小話】釜山国際映画祭と東京国際映画祭のメリット、デメリットをまとめてみた※チケットの取り方書いてます
【備忘録】神ラインナップな第23回釜山国際映画祭で観たい作品リスト

ブロトピ:映画ブログ更新
ブロトピ:映画ブログの更新をブロトピしましょう!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です