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【小話】釜山国際映画祭と東京国際映画祭のメリット、デメリットをまとめてみた

【小話】釜山国際映画祭と東京国際映画祭のメリット、デメリットをまとめてみた

【小話】釜山国際映画祭と東京国際映画祭のメリット、デメリットをまとめてみた

今日からブンブンは、韓国・釜山で行われるアジア最大級の映画祭《釜山国際映画祭》潜入します。釜山国際映画祭(以下BIFF)というと、よく東京国際映画祭の運営のダメダメさの引き合いに出される。確かに、ラインナップをみると圧倒的に東京国際映画祭(以下TIFFJP)のラインナップのショボさが際立ってしまう。

BIFFでは、主に三大映画祭の話題作を中心に招待し、『COLD WAR』からジャン=リュック・ゴダールの『The Image Book』まで招待している。また、話題のインディーズ映画も積極的に持ってきており、今年は映画業界で密かに話題となっているタイ映画『MANTA RAY』やアイスランド映画『Woman at War』などが上映される。このラインナップを知った上で、TIFFJPのラインナップを見ると、BIFFの残りカスを集めているように見えてしまい落胆することでしょう。ただ、今回BIFFチのチケット取りに参加して、BIFFとTIFFJP双方に長所、短所があることが判明した。まだ現地入りしていないのですが、現時点で判明している長所・短所をまとめていきます(帰国したら追加リポート書く予定です)。

第31回東京国際映画祭公式サイト
第23回釜山国際映画祭公式サイト
第19回東京フィルメックス公式サイト(実は釜山よりも最強ラインナップなので見て欲しい)

釜山国際映画祭(BIFF)

長所

1.ラインナップがとにかく多い

何と言ってもBIFF最大の魅力はラインナップの多さでしょう。映画マニアなら、あれもこれもという風に観たい映画が山のように出てきて、到底全部観ることができないぐらいの豪華ラインナップになっている。ブンブンの今回、体力の限界までチケットを取り、下記の作品を3日で観ることとなっています。

【ブンブンの観る作品】

・MANTA RAY(話題のタイ映画※東京フィルメックスで上映決定)

・The Prey(カンボジア映画)

・Arctic(マッツ・ミケルセンが南極でサバイバルする映画)

・The House That Jack Built(カンヌで大量の途中離脱者を出したトリアー最新作)

・High Life(クレール・ドゥニのSFエロ映画)

・Burning(イ・チャンドンがまさかの村上春樹『納屋を焼く』映画化)

・Climax(ギャスパー・ノエ最高傑作らしい)

2.チケットキャンセルが出来る


↑Confirmationでキャンセル可能(購入時に登録した名前、メールアドレス、パスワードを入力して入る)

TIFFJPにはないのだが、チケットを購入して都合が悪くなったら、キャンセル出来るのだ。専用や窓口でキャンセルすることができます。

3.当日券が確保されている

BIFFのほとんどのプログラムで、当日券があります。それも運営側のルールで20%程は当日券に割り当てられているので、もしオンラインチケットが売り切れだとしても朝一に並べば、チケットが入手できる可能性があるのだ。舞台挨拶付き上映等の人気作でも、十分鑑賞のチャンスがあります。

短所

1.スマホからのチケット購入が外国人にとっては難しすぎる


BIFF最大の欠点は、外国人にとってはスマホを使ってBIFFの公式サイトからチケットを購入するのはとてつもなく難しいのだ。初見では99%の人が購入できないであろう。まず、サイトからOnline Ticketを入力すると、いきなりハングル文字の案内が!アルファベットで書かれていればある程度予想できるものの、流石にハングルは読めません。ただ、勘に頼って購入画面らしきボタンを押す。

すると、韓国の住所を入力する画面が登場する。どうやら、この画面は韓国在住の人専用のフォームらしい。では外国人はどうやって購入すればいいのか?それはスマホの設定で「デスクトップ用サイトを表示」に変更した上で、サイドチケット購入画面を読み込み、尚且つ、URLを《http://ticket.biff.kr/mo/default.aspx》から《http://ticket.biff.kr/》に変更する必要があるのだ。UIの観点から低クオリティである。

2.PCからの購入も癖がある


PCからの購入も結構癖があります。購入するにあたり、名前を入力する必要があるのだが、「小文字+スペースなし」という制約があります。例えば、「che bunbun」と入力しようとすると、《Please enter only the English》というエラーが表示されてしまいます。「CHEBUNBUN」と入力しようとしても同様のエラーが発生し、「chebunbun」しか受け付けてもらえません。



↑Confirmationでチケット内容を確認できます。

また、この登録ではメールアドレスを入力するのだが、チケット購入の領収書がメールで送られてくる訳ではありません。なので、この登録で自分の名前、メールアドレス、任意のパスワードを間違いなく入力しないと、万が一チケット交換書を再印刷しようとした際に困ったことになります。


また、チケット購入画面は連続購入がしにくいしようとなっている。例えば、10/7 10:00 Girlを購入しようと、「10/7」を選択する。ラインナップが多いので、「Time」ボタンで上映時間順に並び替えて、作品を購入する。もし、その作品が売り切れだった場合、同じ時間で観られる他の作品を検索したくなるものなのですが、設定が初期化されてしまい、また日付から選択しないといけないのだ。非常に使いにくいです。転売ヤーのようにBotを使ってくる人に勝てる気がしません。

3.そもそもチケットが買えない

ただ、BIFF最大の鬼門は、東京国際映画祭のチケット戦争に毎回買っているチェ・ブンブンでも全く買えない程、チケット戦争が激しいということだ。BIFFはチケットキャンセルが容易な点、そして代行・転売業者が多すぎて、全く買えないのだ。そもそも、今年のBIFFのチケット販売はなんと平日木曜日の14:00。しかも、PCからしか購入できないのだ。スマホからの購入は同日18:00からなのだが、開始数分でほとんどの作品がSOLD OUTとなり、18:00の時点でブンブンが購入できたのは『MANTA RAY』のみでした(しかもラスト1席)。驚いたことに、東京国際映画祭で上映したら、ギリギリまで満席にならなそうな作品までも売り切れていました。なので注目していたトランスジェンダー映画『Girl』も買うことができませんでした。幸運なことに、友人に協力してもらったので計7本のチケットを確保できましたが、チケット購入難易度の高さもあり、どんな作品であれ死ぬ気でチケットを取る覚悟がなければ戦には負けてしまいます。

4.公式サイトがSSL化されていない

今年の7月から、Google Chromeがどんなサイトであれ、SSL化していないサイトに警告が表示される仕様に変更となりました。SSL化とはユーザとWebサイトがやり取りする情報を暗号化することで、第三者から情報が奪われることを防ぐシステム。最近までは、個人情報を入力しないページでは別にSSL化しなくてよかったのだが、Googleが今回率先して常時SSL化を推奨したことで、SSL化していないサイトは信頼できないという風潮が強まってきました。しかしながら、BIFFの公式サイトはSSL化されていません。しかも、こともあろうことか、チケット購入画面ですらSSL化していないのだ。これは、つまりクレジット番号等が盗み取られる可能性があるということだ。なので、チケットを購入する際は、個人情報漏洩に怯えながら購入しないといけません。

東京国際映画祭(TIFFJP)

長所

1.SSL化がされている

BIFFでは、SSL化がされていないのに対し、TIFFJPは毎年ここはしっかりしています。

2.チケットのやり取りがやりやすい

割と個人的に賞賛しているのは、チケット取得方式だ。BIFFでは、チケットボックスで、チケットに引き換える必要があるのだが、TIFFJPはスマホにQRコードを取り込んでおくだけ。しかもメールでQRコードが届く。BIFFの場合、Webサイトで氏名、メアド、パスワードを入力しないとチケットコードを出せないので手間がかかります。

3.意外とチケットが取れる

BIFFと比べたら、チケットは取りやすいです。TIFFJPの場合、人気俳優登壇イベントがある作品とアカデミー賞関連作品くらいしか激戦にならず、コンペティションやワールド・フォーカス部門は簡単にチケットが取れちゃったりします。(とはいえ、今年はラインナップが微妙すぎて、『われらの時代』や『ノン・フィクション』、『悪魔の季節』は激戦区になりそうだ…)

短所

1.サーバーが毎回死ぬ

BIFFのチケット争奪戦開幕時の状況が仕事中だった為、把握できなかったのだが、TIFFJPに関して言えることがあります。それは…毎回サーバーが死にます。2016年にアクセス過多でサーバーがパンクし、クレジット決済はされているのに、座席が確保できていないトラブルが発生してからは、チケット購入を部門別に分けて、リスク回避をしている。しかし、やはり去年もサーバーはパンクし、一時繋がらなくなりました。確かに、その原因は転売ヤーがBotを使って人気作を強奪しているせいなのだが、やはり毎回サーバーパンクしてはストレスが溜まる一方だ。最近、Botを検知できるシステムが開発されたらしいので、是非ともTIFFJPには取り入れていただきたい。

詳しくは過去記事参照:【悲報】第29回東京国際映画祭チケット騒動顛末、果たしてブンブンは何枚取れたか?

2.ラインナップ

TIFFJPは確かにサフディ兄弟やベネディクト・エルリングソンといった新鋭監督を発掘した映画祭ではあるが、釜山やトロント、その他ファンタスティック映画祭と比べると個性がない。3大映画祭のおこぼれを頂いている感が強い。アジア映画に力入れているとはいっても、東京フィルメックスに比べるとインパクトにかける。他の国に誇れるかと訊かれたら、否と答えたくなってしまう残念さがあります。多分、この原因は、映画祭で紹介された作品に配給が興味を示して、日本公開になる流れが意外と少なく、また本祭で紹介された日本映画が海外のバイヤーの目にとまり、海外で上映されて盛り上がるといった展開があまり見受けられないだからだと思う。映画祭とは、単に映画を観て終わりではなく、未知の映画を世に広めることが重要だ。特に国際的な映画祭なら尚更だ。それがTIFFJPにはあまり感じられない。

最後に…

釜山に飛び立つ前に思いついたことをツラツラと書いてみました。こうしてみると、意外にもTIFFJPの良さが見えてきました。もちろん、BIFFの神すぎるラインナップを前には圧倒的パワー不足が見受けられます。というわけで、台風の中釜山に潜入してきます。近日各作品のレビューをアップするので乞うご期待!

第31回東京国際映画祭公式サイト
第23回釜山国際映画祭公式サイト
第19回東京フィルメックス公式サイト(実は釜山よりも最強ラインナップなので見て欲しい)

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