【毎週インド映画8】『ボンベイ to ナゴヤ』B級インド映画名古屋で大暴れ

ボンベイ to ナゴヤ(1993)
BOMBAY TO NAGOYA(1993)

監督:チャンチャル・クマール
出演:アニル・バクシー、プリヤンカ、
プレーム・チョープラー、原智彦etc

評価:60点

TSUTAYA渋谷店でこんなユニークなタイトルのVHSを目撃した。

『ボンベイ to ナゴヤ』!

タイトル通り名古屋でロケが行われたインド映画らしい。早速借りて観てみた。

『ボンベイ to ナゴヤ』あらすじ

父と共に密輸組織を摘発する警察官ヴィジャイ。ある日、両親をギャングに殺されてしまう。そのギャングはヤクザ・佐藤の手を借りて名古屋に逃亡したらしい。ヴィジャイは名古屋に潜入し、ギャングを成敗することにする…

踊って踊って踊りまくる!狂気のB級インド映画

観るからにB級インド映画の体裁をとっている超大作。正直、ストーリーなんてあってないようなものだ。両親を殺したギャングを追って日本にやって来たインド人警官が、拳で解決するというプロットなのだが、とにかくダンスシーンによって物語が横道に逸れることそれること。

恐らくゲリラ撮影だろうと思うほどのドキュメンタリータッチな中で警官とヒロインが踊る。広場の噴水に入水したり、大通りの真ん中で歌い踊り狂うのだ(危ないなぁ)。渡航費だけで予算を大幅に使ってしまった為か、下手な日本描写に金をかけていない分、妙に1990年代の日本の様子がリアルだ。あの時代の日本の暑苦しさが妙に生々しさがある。意図されていないとは思うが、バブル崩壊後のどんよりとした日本の景色がそこにあるのだ。

もちろん、辛うじての日本らしい見せ場がある。ギャングの親分が歌舞伎を観るシーン。歌舞伎役者に紛れてヴィジャイが演じ、クライマックスで周りの役者を切りつけ、ギャングの親分に襲いかかる。このシーンの殺陣は、しっかり殺陣役者から勉強したのだろう。ドラマチック且つリアリズムがある。

シーンとシーンは唐突で、音楽も物語に絡んでいない、正直酷い作りの映画なのだが、妙に親近感があり愛さずにはいられない作品であった。

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