【ネタバレなし】TIFF2016鑑賞記録4「メッセージ」ヴィルヌーヴのばかうけ映画はSFではない??

メッセージ(2016)
ARRIVAL(2016)

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監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
出演:エイミー・アダムス、
ジェレミーレナ、フォレスト・ウィテカーetc

評価:85点

第29回東京国際映画祭
チケット争奪戦に見事勝利し、
日本公開2017年5月の
「メッセージ」を観てきました。

中国系アメリカ人テッド・チャンの
短編小説「あなたの人生の物語」

プリズナーズ

」「複製された男」、
そして現在「ブレード・ランナー」の
続編を手がけるドゥニ・ヴィルヌーヴ
が映画化したものだ。
果たして…

「メッセージ」あらすじ

突如、地球12カ所に現れた巨大な
「ばかうけ」型の宇宙船。
アメリカ軍に呼ばれ言語学者である
ルイーズは宇宙人との対話を
試みるのだが…

原作小説を忠実に映画化!

本作は日本ではTwitterを始め、
「ばかうけ映画」と煽られがちなのだが
(本当にポスターにばかうけ当てはめたら
ぴったりなんだもんw)
これは紛れもない傑作です。

ドゥニ・ヴィルヌーヴは長年SF映画を
撮りたかったらしく、本作は一切妥協なく
原作の意図をくみ取って忠実に映画化している。

ネタバレになるので詳しく書かない。
というよりも本作は出来るだけ前情報を
入れずに観た方が衝撃を受けるので、
ふんわりとしか書かないが、
本作は「SF映画」ではありません。

確かにエイリアンは出てくるし、
未知との遭遇みたいに宇宙船も
沢山出てくる。
しかし、本作は「言語」と「運命」、
そして「子育て」
の映画なのである。

原作者のテッド・チャンは
コンピュータ・サイエンス畑の人で、
原作である「あなたの人生の物語」を
始め多くの作品が哲学や言語を
数学・論理学的観点から読み解いていく
理系な小説となっている。

ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督は、
しっかりその理系性をくみ取って、
でも観客にもある程度わかりやすいように
描いている。なので、SF意外なものが
物語が進めば進むほど見えてくるのである。

音楽と撮影と編集に注目

内容については言及を避けたいので、
アカデミー賞の話をする。
恐らく、次のアカデミー賞では
「作品賞」「監督賞」「主演女優賞」「脚色賞」
ノミネートは堅い
でしょう。

さらに言えば、
「作曲賞」「撮影賞」、「視覚効果賞」も
堅いと言える。

アイスランドの新鋭作曲家
ヨハン・ヨハンソンの織りなす
幻想的な音楽は「メッセージ」の
世界観に非常にマッチする。
「博士と彼女のセオリー」「ボーダーライン」
と2作連続ノミネートを果たしているだけあって、
今回こそ受賞してほしい。

また浮遊感ある、幻想的なカメラワークを
手がけたブラッドフォード・ヤング
撮影賞でノミネートするでしょう。

そして、なんといっても
宇宙船やエイリアンのCGが
非常に上手いので視覚効果賞も狙えそうだ。

ただ、危惧すべきは配給会社のソニーが
アカデミー賞に「メッセージ」ではなく、
マーティン・スコセッシの「沈黙-サイレンス-」
を推そうとしているので、もしかしたら
無冠に終わる可能性もあります。

さて、アカデミー賞はどうなることやら!
日本公開は2017年5月。
それまでクビを長くして待ってください。
(一応鑑賞者向けに近日
ネタバレ解説記事をアップする予定です)

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