【東京国際映画祭】『Totem』不穏なパーティ

Totem(2023)

監督:リラ・アヴィレス
出演:ナイーマ・センティーエス、モンセラート・マラニョン、マリソル・ゲイス、Saori Gurza、マテオ・ガルシアetc

評価:60点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

第36回東京国際映画祭で『TOTEM』を観た。

『Totem』あらすじ

7歳の少女ソルは、祖父の家で父親のためのパーティーの準備を手伝う。やがて彼女はその日がかけがえのない日になることを知る…。ベルリン映画祭でエキュメニカル審査員賞を受賞。

※第36回東京国際映画祭より引用

不穏なパーティ

本作はあるパーティーをめぐる群像劇を通じてある事実を浮かび上がらせる作品である。事前にラモン・チュルヒャーっぽい作品と聞いていたのだが、確かにメキシコの質感を持ったラモン・チュルヒャーといった感じで、人間の眼差しの手繰り寄せに惹かれるものを感じた。また、ラモン・チュルヒャーにない描写として、突然ゾワッとする不気味さが現出することにある。楽しげなパーティーなのに、突然事故レベルの火災が発生したり、ケーキの蝋燭を前に怖い音がなったりするのだ。この緩急のつけ方に面白さを感じた。

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※映画.comより画像引用