【ブンブンシネマランキング2018】旧作部門1位は最強バカンス映画『オルエットの方へ』

15.山の焚火(HÖHENFEUER,1985)

監督:フレディ・M・ムーラー
出演:ヨハンナ・リーア、トーマス・ノック、ロルフ・イリックetc
鑑賞環境:VHS

スイスの限界集落で起こる近親相姦の話。雲よりも高いところに住み、「人々」という群から隔絶された場所で、人は野生動物と同類になる。突発的に動き、肉欲には抗えない。自然がコントロール不可能なように人もまた制御不能だ。歪んだ音、そして現実離れした身体の動きを通して、人類の原子に巡り合う。この自然と動物の関係性をスピリチュアルな映像と共に掘り下げていく。本作唯一無二の世界観に惹き込まれました。

『山の焚火』に関するブログ記事

【激レア映画】『山の焚火』河瀨直美『Vision』に足りないもの全て盛り

14.シルバー・グローブ/銀の惑星(Na srebrnym globie,1987)

監督:アンジェイ・ズラウスキー
出演:アンジェイ・セヴェリン、クリスティナ・ヤンダ、アンジェイ・ズラウスキーetc
鑑賞環境:ブルーレイ

もしも、ホドロフスキーが『DUNE』を完成させていたらこうなっていただろう。本作は未完成なものをナレーションで無理矢理完成させた不完全作品なのだが、驚異のFPS視点で世紀末の惑星を駆け巡る場面のカッコよさ、パゾリーニ映画のような民族の魅惑の儀式に涎が出るほど楽しんだ。

『シルバー・グローブ/銀の惑星』に関するブログ記事

【アンジェイ・ズラウスキ特集】『シルバー・グローブ』トンデモFPS映画現る!

13.グッド・タイム(GOOD TIME,2017)

監督:サフディ兄弟
出演:ロバート・パティンソン、ジェニファー・ジェイソン・リー、ベニー・サフディetc
鑑賞環境:Netflix

去年見逃したのが悔やまれる傑作。賢くない兄弟の強盗&救助劇は一時も油断できない。目線の動きだけで緊迫感を魅せるサフディ兄弟の手腕、そして遊園地の使い方に鳥肌がたちました。

『グッド・タイム』に関するブログ記事

【カンヌ国際映画祭特集】『グッド・タイム』目線の使い方が素晴らしい!

12.ボクの高校、海に沈む(My Entire High School Sinking Into the Sea,2016)

監督:ダッシュ・ショー
出演:ジェイソン・シュワルツマン、スーザン・サランドン、ジョン・キャメロン・ミッチェルetc
鑑賞環境:米国iTunes

文字通り、高校が海に沈み、『ポセイドン・アドベンチャー』たる脱出劇を繰り広げるという厨二病をこじらせた作品ではあるが、スクールカーストに対する監督の怨念がつまりに詰まっていて、非常に奥深い作品となっている。本作において定石は通用しない。美女や先生は簡単にくたばる。そして主人公はバタバタ倒れて行く周りを軽くスルーしてスクールカーストの頂点=屋上へ上り詰めて行くのだ。ダッシュ・ショー監督とA24はどこかで本当にタッグを組んで一本映画を作って欲しいなと思う。

11.メーヌ・オセアン(Maine-Océan,1986)

監督:ジャック・ロジエ
出演:ベルナール・メネズ、ルイス・レゴ、イヴ・アフォンソ、リディア・フェルドetc
鑑賞環境:ブルースタジオ BLUE STUDIO – 日本芸術センター

本作はオープニングからして大傑作だ。リヨン駅で黒人女性が待って待ってと列車を追いかけて乗り込む。それを軽快な音楽が包むサイコーではありませんか。ブンブンが留学していたアンジェが舞台となっている思い出補正もあるのですが、ゆるゆるに見えてハードコアな旅路、そして情けない男の哀愁にブンブンの目がゴキゲンでした。

『メーヌ・オセアン』に関するブログ記事

『メーヌ・オセアン』ジャック・ロジエ最強のgdgdバカンス映画

→BACK:20位~16位

→NEXT:10位~6位

→NEXT:5位~1位

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です