【ブンブンシネマランキング2018】旧作部門1位は最強バカンス映画『オルエットの方へ』

10.LE CONCOURS(2016)

監督:クレール・シモン
鑑賞環境:DVD

本作は、ゴダールが落第したことでも有名なフランスの名門映画学校≪La Fémis≫の入学試験についてのドキュメンタリー。映画学校の入試の様子を観られるだけでも面白いのに、試験官、面接官がああでもない、こうでもないと頭を捻る場面中心で構成されているのでなおさら面白さが増幅される。映画オタクだが、奇抜すぎて採用するには一歩手が出なかったり、非常に魅力的な人なのに実は映画を全く観ていなかったりとする様子は、ブンブンが就活中映画業界の面接で体験したことを思い出させてくれ、非常に興奮しながら画面から目が離せませんでした。

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9.ハーモニカ(Harmonica,1974)

監督:アミール・ナデリ
出演:Abbas Pourahadi, Jomeh Vafabakhsh etc
鑑賞環境:東京FILMEX

イラン版ドラえもん、スネ夫とジャイアンの仁義なき戦いは、一見すると少年少女の素朴な物語に見えるのだが、ハーモニカを象徴として使い、権力の乱用がもたらす政治的効果を見事なまでに風刺してみせた。最初のイジメのシーンでは、のび太のように見える少年に同情するが、次第にスネ夫に成り果て傲慢になって行く様子には真面目に胸糞が悪くなり、ジャイアンを応援していました。

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8.トラスト・ミー(TRUST,1990)

監督:ハル・ハートリー
出演:エイドリアン・シェリー,マーティン・ドノヴァンetc
鑑賞環境:東京 VHS

今年はハル・ハートリーという映画作家を発見したのが大きな収穫だった。カウリスマキやジャームッシュ好きにはたまらないゆるさとカッコイイ雰囲気に満ちた世界が好きだ。そんな中でも『トラスト・ミー』は奥深い物語があった。『オデュッセイア』たる世界観を、少女の放浪に落とし込み、とあるアイテムで持って強烈な愛を描く。凄いぞ!

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7.ソビブル、1943年10月14日午後4時(Sobibor, 14 octobre 1943, 16 heures)

監督:クロード・ランズマン
鑑賞環境:Beauties

今年亡くなってしまった、ホロコースト専門ドキュメンタリー作家クロード・ランズマン。彼は9時間のドキュメンタリー『SHOAH

』で有名だが、本作は『SHOAH』の番外編である。そしてこれが凄まじい。被写体にインタビューしているだけなのに、鑑賞している者の脳裏にアクションが展開されていく。そこらへんの戦争アクション映画よりも手汗にぎるアクション。生々しい武装蜂起の姿に打ちのめされました。

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6.とらんぷ譚(Le roman d’un tricheur)

監督:サッシャ・ギトリー
出演:サッシャ・ギトリー、セルジュ・グラーヴ、ピエール・アッシィetc
鑑賞環境:青山シアター

1936年のとっても古い話にも関わらず、まったく色褪せない。まるでマーティン・スコセッシの映画のように、軽妙な語り口で人生について語られていくそのコミカルさにグイグイと画面に惹きつけられる。そして、劇中で展開されるイカサマの華麗さ、そしてあっと驚くエンディングに完全ノックアウトさせられました。

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