『パウ・パトロール ザ・マイティ・ムービー』任務にも適任と時期がある

パウ・パトロール ザ・マイティ・ムービー(2023)
PAW Patrol: The Mighty Movie

監督:カル・ブランカー

評価:85点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

ニコロオデオンの幼児向けアニメ《パウ・パトロール》の映画がもうすぐ公開なので緊急で過去作を観ている。今回はシリーズ第二弾『パウ・パトロール ザ・マイティ・ムービー』を観た。1作目がプロメアなら今回はヒロアカといった趣の作品であった。

『パウ・パトロール ザ・マイティ・ムービー』あらすじ

北米発の人気子ども向けアニメ「パウ・パトロール」の劇場版第2弾。架空の街アドベンチャー・ベイを舞台に、主人公の少年ケントと個性豊かな子犬たちからなる「パウ・パトロール」が、さまざまなトラブルを解決していく姿を描く。

アドベンチャー・シティにある日、魔法の隕石が落ちてくる。パウ・パトロールの一同は、その隕石がもたらした新しいマイティパワーによって、最強の子犬たち「マイティ・パウ・パトロール」に変身する。しかし宿敵のライバール市長が、切れ者のマッドサイエンティスト、ヴィクトリア・バンスと手を組み、このマイティパワーを奪おうと悪だくみを始めて……。

前作「パウ・パトロール ザ・ムービー」に映画オリジナルメンバーとして登場したリバティが本作にも登場し、日本語吹き替えを安倍なつみが続投。悪役ヴィクトリアの吹き替えを仲間由紀恵が務めた。そのほか、日野聡、中島沙樹、森川智之、諏訪部順一、井上喜久子、水田わさびら実力派声優陣が吹き替えを担当。短編アニメ「ドーラとまぼろしの生き物」が同時上映。

映画.comより引用

任務にも適任と時期がある

今回もジェリー・ブラッカイマー作品かと思うほどに壮絶なスペクタクルから幕が開ける。自動車廃品工場を営む夫婦は謎の組織に嵌められて事務所に監禁。黒ずくめの存在が車を盗む中で、連鎖的に爆発が発生する。そこへパウ・パトロールが駆けつける。川から水を掬い上げ第一の消火を行う。次にポンプ車が駆けつけ水を撒く。水が不足すれば周囲の仲間が助ける。事務所はピッキング担当の者がこじ開ける。メンバー紹介をチームワークの映画の運動の中で行う鮮やかさ、無駄のなさは堅実である。

今回の主人公は前作で正式にメンバーとなったリバティである。本作では隕石落下により基地が全壊したパウ・パトロールのチーム再建の話となっているのだが、実力不足と言うことでリバティは新米の育成係に任命される。現場へ行けず不満のあるリバティは自らの未熟さのコンプレックスを新米へぶつけ、スパルタ教育をはじめる。

幼児向けアニメでは、時として大人が観るとあまりにシビアな展開で酷に思える時がある。それは幼児向けアニメがアート映画以上にこの世の本質へ迫ろうとするが故の純度の高さが原因である。『パウ・パトロール ザ・マイティ・ムービー』では、前作以上にケントのプロジェクトマネージャーとしての厳しい態度を表現している。コンプレックスにより暴走するリバティをなだめる。やる気だけでは仕事はできない。チームとしての成果を考えた際にプロジェクトから外す決断をしないといけない場合がある。拗れた態度を前にしてもプロジェクトを天秤にかけた一貫性のある行動が求められる。新米への教育に対しても、本人を傷つけないよう配慮しながら適切な坑道へと導いていくケントの姿はビジネス書さながらの強度を持っている。

やがてリバティに才能が開花した時、再びチームの中心へと招き入れる。新米たちも思わぬ活躍を魅せれば、それを受け入れる。チームワークの映画として極めて現実的な世界を映し出すリアリズムの一本といえよう。