雨にぬれた舗道(1969)
THAT COLD DAY IN THE PARK
監督:ロバート・アルトマン
出演:サンディ・デニス、マイケル・バーンズ、スザンヌ・ベントン、ルアナ・アンダース、ジョン・デヴィッド・ガーフィールドetc
評価:60点
おはようございます、チェ・ブンブンです。
角川シネマ有楽町で開催されているロバート・アルトマン傑作選で『雨にぬれた舗道』が上映されていたので観に行った。ロバート・アルトマンといえば『プレタポルテ』や『ゴスフォード・パーク』などから群像劇作家のイメージが強いが、異色サスペンス映画も手がけることを本上映で再確認した。
『雨にぬれた舗道』あらすじ
アメリカ映画界の巨匠ロバート・アルトマンがキャリア初期に手がけた「女性映画3部作」の第1作で、元ハリウッド子役の作家リチャード・マイルズの長編小説を原作に、孤独なブルジョア女性と見知らぬ青年の奇妙な関係を描いたスリラー。
ある雨の日。30代の裕福な独身女性フランセスは、自宅の近くにある公園のベンチでずぶ濡れになっている青年を見つける。フランセスはその青年を自宅に連れ帰り、風呂に入れて食事を与えるが、青年は何もしゃべらない。フランセスが青年を誘惑しても、彼は応じようとせず……。
「バージニア・ウルフなんかこわくない」のサンディ・デニスが主演を務めた。「ロバート・アルトマン傑作選」(2023年5月26日~、東京・角川シネマ有楽町ほか)上映作品。
女は濡れた男を持ち帰った
本作は異色家侵入ものとなっている。家侵入ものは一般的に招かれざる客が家に入り、平穏を乱す。しかし、本作は30代独身女性が心の穴を埋めるかのようにずぶ濡れの男を家へと招き入れる。そして、その男の気を惹こうとするのだ。しかし、彼は無口で応じない。イングマール・ベルイマン『仮面/ペルソナ』のように彼女は、彼に語りかけ続ける。一方、彼女は男から全くアプローチされないというわけではない。おじさんから迫られるのだが、そのアプローチはやんわりとかわしていくのだ。女と無口の男の裏返しの関係が外では展開されていく。奇妙な関係性の中、無口な男による侵入が始まる訳だが、そこに図々しい女が参加してきて修羅場が発生していく。心の隙間を埋めたいが自分にとって都合の悪い存在はスルーしたい。そんな心理を束ねていくような作品でとっつきにくかったものの興味深い一本となった。
※映画.comより画像引用