『BAD LIVING』『LIVING BAD』ホテルを舞台にした昼ドラ的ねっとり人間関係

BAD LIVING+LIVING BAD(2023)

監督:ジョアオ・カニージョ
出演:アナベラ・モレイラ、リタ・ブランコ、マダレーナ・アルメイダ、Cleia Almeida、ベラ・バレットetc

評価:55点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

第73回ベルリン国際映画祭にてユニークな作品出品をされている方がいた。それがジョアオ・カニージョだ。彼はコンペティション部門に『BAD LIVING』、エンカウンターズ部門に『LIVING BAD』と似たようなタイトルの作品を発表した。審査員賞を受賞した前者は、ホテル従業員側の視点。後者は宿泊客側の目線でねっとりとした人間関係を描いているらしい。つまり、本作は2つで1本のような作品なので併せてレビューしていく。

『BAD LIVING+LIVING BAD』あらすじ

Follows five women who fight for the stability of a hotel they inherited, living an “old and irresolvable conflict,” with many conversations that have been postponed and much that remains to be said within a family.

Five women are running an old hotel. Guests arrive over the course of a weekend and are drawn into a web of ongoing conflict.
訳:
受け継いだホテルの安定のために戦う5人の女性たちの姿を追う。「古くて解決不可能な対立」を生きながら、先延ばしにしてきた多くの会話と、家族内で言い残した多くのことがある。

5人の女性が古いホテルを経営している。週末になると宿泊客がやってきて、現在進行形の葛藤の網に巻き込まれていく。

※IMDbより引用

ホテルを舞台にした昼ドラ的ねっとり人間関係

ヌリ・ビルゲ・ジェイラン『雪の轍』のような作品を想定していたのだが、正直『BAD LIVING』は室内で延々と会話をつなげているだけで映画としての面白さをあまり感じることができなかった。いきなり出鼻をくじかれたと思いながらおそるおそる『LIVING BAD』を観たら、こっちは空間の使い方がめちゃくちゃ面白い。階段と階段の隙間から人を捉えたり、ガラスの反射を使った複雑な構図を作り込んだり、昼ドラにおける見る/見られる、人の噂への下衆な関心を空間で表現しているところが良かった。また、サスペンスとしても面白く、プールサイドの女に呼ばれているのに、男は給仕と白昼堂々イチャコラしている場面のバレるかバレないかサスペンスは見応えがあった。全体的にピンとこない作品ではあったが、『LIVING BAD』は発見が多かったと思う。

※MUBIより画像引用