FLAG DAY(2021)
監督:ショーン・ペン
出演:キャサリン・ウィニック、ジョシュ・ブローリン、エディ・マーサン、マイルズ・テラー、ショーン・ペン、デイル・ディッキー、ジェームズ・ルッソ、ベイリー・ノーブル、ノーバート・レオ・バッツ、ディラン・ペンetc
評価:65点
おはようございます、チェ・ブンブンです。
第74回カンヌ国際映画祭でショーン・ペン新作『FLAG DAY』がお披露目となった。ショーン・ペンといえば『ラスト・フェイス』でカンヌ国際映画祭歴代最低の評価を得たことで有名だが、残念ながら本作も評価は芳しくない。しかし、業界星評で映画.comだけが高評価をつけていた。こうした周囲に流されない評は好きである。というわけで観てみた。結論を言おう。日本の観客はこの映画を受け入れると思われる。確かに、内容が内容なのですが『男はつらいよ』を彷彿とさせる映画であった。
『FLAG DAY』あらすじ
A father lives a double life as a counterfeiter, bank robber and con man in order to provide for his daughter.
訳:娘を養うために、偽造屋、銀行強盗、詐欺師として二重生活を送る父親。
※IMDbより引用
ショーン・ペンの男はつらいよ
ジェニファー(ディラン・ペン)はどうしようもない両親のもとを離れ、大学でジャーナリストの勉強をし自立しようとしていた。しかし、そんな彼女の前に父(ショーン・ペン)が現れる。彼は放火や銀行強盗するかたわら娘の顔を見に会いに来るのだ。どうしようもなく酷い父親だが、彼女は嫌いになれない。過去を振り返ればクソみたいな生活だが、味わい深いものになっている。本作はショパンのノクターンやフィルム撮影によるノスタルジックな演出で、親子の歪な愛情を描いている。相変わらず、技巧を見せびらかす演出が鼻につくのだが、『ラスト・フェイス』における傲慢な国際支援描写の数々に比べたら大分観やすくなっている。それどころか父と娘の関係が『男はつらいよ』における寅さんとさくらの関係に近いのだ。社会不適合者で、他者との間合いもロクに取れない男だが、どこかその笑みや娘に寄り添う姿には温もりがある。また、娘のどこか父を突き放すことのできない姿も生々しく描かれている。
そこまで言及したいことはないのだが、悪くはなかったのは確か。ただし、毒親家庭で育った人が観ると嫌な思い出がフラッシュバックすると思うので要注意だ。
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※IMDbより画像引用