『アラビアン・ナイト 第2部 孤独な人々』タイの撮影監督サヨムプー・ムックディープロムに注目!

アラビアン・ナイト 第2部 孤独な人々(2015)
As Mil e Uma Noites: Volume 2, O Desolado

監督:ミゲル・ゴメス
出演:クリスタ・アルファイアチ、アドリアーヌ・ルース、アメリコ・シルバ、カルロト・コッタetc

評価:40点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

来月開催される、イメージフォーラム・フェスティバル2019でミゲル・ゴメスの『アラビアン・ナイト』3部作が公開されます。本作はあの『千夜一夜物語』を現代ポルトガルに置き換えて再構築した作品で、カイエ・デュ・シネマの年間ベストにも選出されました。ブンブン、去年3部作を米国iTunesで購入したものの、第1部でお腹いっぱいになってしまい、放置していました。来月の公開に併せて今回第2部を観てみました。

『アラビアン・ナイト 第2部 孤独な人々』あらすじ


第2部 孤独な人々
「腸なしシモンの逃亡の日記」やせっぽちでいくら食べても太らないと噂の「腸なし」シモンは、一家皆殺しの凶悪犯として人里離れた山中で気ままな逃亡生活を続け、恐れられているが、その反面、伝説の存在になっていた。警官160人総動員の末、彼が逮捕された時、人々がとった行動とは?
「裁判官の涙」野外劇場で芝居として演じられる話で、母親として娘の幸せを願う裁判官は、法廷でとある夫婦の告白から数珠つなぎに登場する、唖の娘や木に話しかける牛や中国のビジネスマンの元恋人や泥棒や仮面を付けた部族・・・といった人々の愚かで絶望的な話にうんざり疲れ果て、遂にある叫びを発する。「ディクシーの所有者」ある低所得者向けの公営住宅で老夫婦に飼われているプードルのディクシー(2015カンヌ映画祭パルムドッグ受賞)。住人たちに起こる不幸や死といった出来事のためにディクシーは飼い主を転々とするが、人間たちと違って常に可愛らしいままであった・・・。
※広島国際映画祭公式サイトより引用

タイの撮影監督サヨムプー・ムックディープロムに注目!

正直、ミゲル・ゴメス監督はブンブンと相性が悪い。カッコ良く魅せようとしているのだが、そのカッコいいヴィジュアルが妙にダサく見えてしまうのだ。また、物語も毎回あまり興味が持てないという問題がある。ただ、それでも本作の1話目の撮影は面白い。ハンターが広大な土地を放浪するのだが、『モンスター・ハンター』を彷彿とさせる広大な土地を我が物にする幸福に満ち溢れていた。

撮影監督を調べたら、今密かに話題のタイ出身監督サヨムプー・ムックディープロムであった。アピチャートポン・ウィーラセタクンの右腕撮影監督なのだが、最近はその腕前をルカ・グァダニーノに見出され、『君の名前で僕を呼んで』や『サスペリア』の撮影を手がけています。そんな彼が撮る自然は美しいものがあった。そしてそれは、逃亡者の精神的自由をしっかりと象徴するものに仕上がっていた。

個人的には2話目の演劇話が面白かった。延々と演劇を展開している。ショット自体はあまり上手くない。ドキュメンタリータッチを意識するあまりに、演劇の拡張としての映画というポジションを確保できていないような気がする。しかしながら、突然セリフが消え、手話によって物語が紡がれていく場面で、映画的アクションを見いだすことができた。これは通常の演劇ではなかなかできない。字幕という概念が浸透している映画だからこそ成立するものであった。

第3話目はパルムドッグを狙っている作品だなと感じた。ただそれだけであった。

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