僕は黒人(1958)
Moi un noir
監督:ジャン・ルーシュ
評価:70点
おはようございます、チェ・ブンブンです。
日仏学院メディアテークにて借りたジャン・ルーシュBOXにて彼のマスターピースである『僕は黒人』を観た。本作はジャン=リュック・ゴダールに衝撃を与えた一本として知られており、「ジャン・ルーシュ 映像人類学の越境者」によると
『無防備都市』が当時の世界の映画においてそうだったように、『僕は黒人』はフランス映画における青天の霹靂だったのである。
※「ジャン・ルーシュ 映像人類学の越境者」p243より引用
と述べている。また、『勝手にしやがれ』では本作を意識されており、リュック・ムレが「フランス版のルーシュ作品」と本作を評価している。
『僕は黒人』あらすじ
A life of Nigerien immigrants in Abidjan, Ivory Coast within a week.
訳:コートジボワールの都市アビジャンにおける、ニジェール人移民の1週間の生活。
ゴダールに衝撃を与えた一本
『僕は黒人』はコートジボワールで仕事を探すニジェールの移民の1週間を追った作品である。スープ一杯程度の賃金を稼ぐために物流の現場で重労働に明け暮れている。
フィルム撮影されたコートジボワールの地はどこかノスタルジックであり、そのノスタルジックさが時として高揚感のあるスペクタクル。夜のボクシング、海辺で楽しく遊ぶ様、音楽やダンスに明け暮れる姿へと繋がっていく。過酷な労働と夢が交わりあった不思議なイメージに惹き込まれる。
ジャン・ルーシュはフランスではなくコートジボワールで移民を撮った。それはズラされた位相の中で本質を掴むような活動であり、アフリカ社会における移民像、文化人類学における移動と経済の関係を情緒的に描いており、確かにジャン・ルーシュのマスターピースといえる作品であった。










