ライオン狩り(1967)
La chasse au lion à l’arc
監督:ジャン・ルーシュ
評価:70点
おはようございます、チェ・ブンブンです。
日仏学院のメディアテークにて凄いDVDBOXを発掘した。それがジャン・ルーシュBOXである。ジャン・ルーシュといえば文化人類学者のヌーヴェルヴァーグ作家であり、日本では『ある夏の記録』で知られている。彼はアフリカを度々訪れ、ドゴン族の文化を定点観測的に撮っていたりするがそういった側面の映画は中々観ることができない。しかし、今回入手したDVDには『ジャガー』『僕は黒人』『少しずつ』『トゥルー・エ・ビィッティ』『メートル・フ(狂気の主たち)』『人間ピラミッド』『マミー・ウォーター』『アフリカ人と名付けられたライオン』と彼の重要作がたくさん収録されていた。その中にカイエ・デュ・シネマベストに選出された『ライオン狩り』もあった。
本作は1957年~1964年にかけてニジェールとマリの国境にある《何もない土地》の奥地に住む狩猟民族を撮った作品である。ライオンが快楽のために家畜を殺すことがあるため、この部族では4年に一度儀式的なライオン狩りが行う。本作はその様子を撮影している。日本では2005年の特集上映以降紹介された形跡のない幻の一本となっている。
『ライオン狩り』あらすじ
A group of West African hunters embark on a ritual hunt, tracking a pride of lions which has been attacking their cattle.
訳:西アフリカの狩人たちが儀式的な狩りへと繰り出し、家畜を襲うライオンの群れを追跡する。
カイエ・デュ・シネマ選出の幻の文化人類学ドキュメンタリー
映画は道なき荒野をバンが、草をかき分けながら爆走する場面からはじまる。そして部族が丁寧にライオン狩り用の矢を作る所を撮影する。火でもって矢を成形する場面は神秘的なところがある。
本作は狩猟民族の言葉を翻訳して映像に載せるスタイルの作品となっている。彼について詳しく書かれた「ジャン・ルーシュ 映像人類学の越境者」によれば、本作は文盲であることが多いアフリカ人に観せることを想定しており字幕だとわからないから、またジャン・ルーシュは文字に敵意を置いており人は本を読むために映画を観るのではないといった考えを持っていたからだとのこと。
ジャン・ルーシュは『メートル・フ(狂気の主たち)』や『人間ピラミッド』といった露悪的なオリエンタリズム的眼差しを持った胡散臭い監督だと思っていた時期もあるのだが、ドゴン族の撮影のプロダクションノートや本作に触れると、やがて消えゆくであろう文化をどのように継承していくのか。岩絵や本とは異なるメディアである映画は何を保存できるのかといった文化人類学者としての視点を探求していった監督なんだなと感じ、好感を持ったのであった。











