『真人間』濱口竜介が真似た映画

真人間(1938)
YOU AND ME

監督:フリッツ・ラング
出演:ジョージ・ラフト、シルヴィア・シドニー、バートン・マクレーン、ハリー・ケリー、ボブ・カミングスetc

評価:60点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

濱口竜介『急に具合が悪くなる』のホワイトボードシーンの元ネタがフリッツ・ラング『真人間』だと聞いてプライム・ビデオで観てみた。

『真人間』あらすじ

ニューヨークのある百貨店の経営者モーリス氏はたくさんの前科者を店員として使っていた。仮出獄中のジョウ・デニスも、彼の好意によってその期間が切れて自由の身となるまでこの店で働いていたが、新しい天地を求めてカリフォルニア州へ行くことになった。同じ店にヘレンという女店員がいてジョウを愛していた。しかし彼は気質の娘が前科者と結婚してはくれぬと思っていたので、一度も彼女に愛を求めなかった。ところが彼の出発の時になって、ヘレンは結婚してもいいと云いだしたので、狂気したジョウはカリフォルニア州行きを取り止めまたモリス氏の店で働くことになった。ヘレンの話によると、モリスシは店員同士の結婚を喜ばないということなので、2人が一緒になったのも他へは秘密にした。けれどもジョウは他に店員同士で結婚しているものがあるのを知って、ヘレンの態度に軽い疑いを持つ時もあった。その頃、昔の悪事の仲間だったミッキーがしばしば店を訪れ、ジョウやギムビーなどを再び悪事へ引き入れようとするが、ジョウは常にそれを拒絶した。ある時彼は妻の衣裳棚から秘密の書類を発見した。それによると彼が純情な娘と信じ切っていたヘレンも仮出獄中の前科者であったのだ。仮出獄中の者は結婚を許されない。ヘレンはそのため2人の仲を秘密にしたのである。ジョウは妻に裏切られたような悲しみから、今までの堅い決心が一時に崩れてしまい、あれほど憎んでいたミッキーの許へいった。彼らの計画は人もあろうにモリス氏の店を襲うことだった。ギムビーハ心配のあまり、ジョウを引止めるようヘレンに電話したがそれも無駄だった。夜になって彼らがモリス氏の店へ侵入すると、そこにはヘレンの計らいで先回りしたモリスシと警備隊が待ち構えていたので、一同は手もなく銃を取上げられた。ヘレンは彼らに向かって犯罪では決して金儲けはできないと説いて聞かした。モリスシの情けある処置で、ジョウやギムビーはもう一度店で働かしてもらうことになったが、彼らを操ったミッキーは自動車の中で何者かに射殺されていた。ヘレンはそのままジョウの前から姿を消した。仲間は手分けして彼女を探し歩き、ようやく病院でジョウの子供を生んだ彼女を発見する。今度こそ2人の上には本当に新しい生活が開けたのである。

映画.comより引用

濱口竜介が真似た映画

驚いたことに濱口竜介監督はホワイトボードのシーンだけでなく全体的に参照していることがわかる。本作はフィルムノワールの顔を被った社会学講座映画であり、冒頭では貨幣による交換のシステムが語られ、オフィスでは前科者を雇うこととは何かについて議論が行われる。恐らくこの議論の場面も『急に具合が悪くなる』で応用されているといえる。『急に具合が悪くなる』のホワイトボードのシーンは顕著に賛否が分かれているものの、社会派映画においてピンポイントで説明する描写として機能させる手法を綿密に研究しており、やはり生半可な監督ではないなと思った。映画自体はそこまでなのだが、濱口竜介監督への好感度が上がった。