Red Rocks(2026)
監督:ブリュノ・デュモン
出演:ケイロン・ランセル、ケルシー・ヴェルデイルズetc
評価:85点
おはようございます、チェ・ブンブンです。
カンヌ監督週間にブリュノ・デュモンの新作『Red Rocks』が選出された。今回のブリュノ・デュモンは幼児版「ロミオとジュリエット」だ的な噂を聞いていたのだが、ふたを開けたらどちらかというと《テレタビーズ》のような気がした。
『Red Rocks』あらすじ
Two rival gangs of local and visiting teens compete in the dangerous sport of cliff diving one summer.
訳:ある夏、地元と遠方から来た十代の若者たちからなる二つのライバルグループが、危険な崖飛び込み競技で競い合う。
もしも、ブリュノ・デュモンがテレタビーズを撮ったなら?
ブリュノ・デュモンはロケーションの選定と俳優未経験であろう存在を映画の顔として輝かせるに長けている。それは衰え知らずであり、流紋岩による赤み帯びた岩々が特徴的なエステレル山塊と緑とのコントラストの中で「ロミオとジュリエット」たる対立が描かれる。ただし、我々が想定する幼児版「ロミオとジュリエット」とは異なる。確かに薄ら恋愛関係を描いているけれども、高い岩山から海へ飛び込むといった遊びによる対立が大きいように思える。ただ、殴り合いの喧嘩は発生しておらず、単にガンを飛ばしたり、目の前で煽ったりする程度に留まっているので、幼年期の純粋な有り余る体力と遊びへの欲望に振り切れているように思える。故にどちらかというとテレタビーズを観ているかのような、幼児の無軌道な遊びを受容する感覚に近い。
ブリュノ・デュモン監督はプリミティブな子どもの遊びの中で巧みに裏切りのショットを挿入していく。例えば、ビーチで少女が振り返りカメラの方へと向かう。しかし、彼女はカメラに目線を向けることはない。微妙に外している。その先にはチワワがいて、チワワはワンワンと彼女の方へ向かっていく素ぶりを見せる。少女=チワワの関係性を提示しているのかと思いきや、主人公と女の群へと歩み寄り、彼を奪う。この裏切りをいとも簡単にやってのけるのだ。
水中への飛び込みや、溺れそうになりながら泳ぐ子どもたちからは生と死の宙吊りが感じ取れ、底抜けに明るい世界でありながらどこか不気味なものがある。『プティ・カンカン』シリーズをはじめ、近年のブリュノ・デュモンは既存の物語形態を脱構築する作家として技法を確立させてきたように思える。小さい作品でありながら、依然としてパワフルでイカれていたのであった。











