ブリュノ・デュモン

2021映画

【特集ブリュノ・デュモン】『カミーユ・クローデル ある天才彫刻家の悲劇』自分はきっと正常である

『FRANCE』以外のブリュノ・デュモン映画として残っていた『カミーユ・クローデル ある天才彫刻家の悲劇』を観ました。カミーユ・クローデルといえば、オーギュスト・ロダンの愛人というイメージがあるが、本作はロダンと彼女、そしてローズとの三角関係ではなく、心の支えを失い統合失調症に陥った彼女の精神病院での生活を追った作品である。これが問題作であった。

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【特集ブリュノ・デュモン】『フランドル』地続きにある死と生

ブリュノ・デュモンが第59回カンヌ国際映画祭に出品しグランプリを受賞した『フランドル』を観ました。第59回カンヌ国際映画祭は激戦区となっており、『パンズ・ラビリンス』、『ファーストフード・ネイション』、『Climates/うつろいの季節』、『街のあかり』、『ボルベール〈帰郷〉』などと強豪が多い中、ミニマルな戦争映画である『フランドル』がグランプリ獲ったのは驚きである(パルムドールはケン・ローチ『麦の穂をゆらす風』)。DVDのパッケージからは激しい戦闘シーンを想起させるが、案の定ブリュノ・デュモン印に満ちた映画であった。

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【特集ブリュノ・デュモン】『アウトサイド・サタン』神の救いは悪魔の蜜

私が敬愛する監督ブリュノ・デュモン。ありがたいことに、ブリュノ・デュモンについて書く機会をいただいたので、今月はブリュノ・デュモン未見映画を観ることにした。2011年カイエ・デュ・シネマ年間ベストにて4位に輝いた『アウトサイド・サタン』に挑戦しました。これが私のオールタイムベスト級に大傑作でした。

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【カンヌ国際映画祭特集】『ハデウェイヒ』敬虔と社会不適合者

修道女志望のCéline van Hadewijchは、勉強していた修道院を出るように言われ、パリの両親の家に戻った。セリーヌは10代のイスラム教徒の友人ヤシーヌ・チクとカフェで出会い、一緒に過ごすようになる。Célineは、自分は神に誓っているし、自分の体は神のものだから処女のままだと、彼はただの友達だと言う。YassineはCélineに兄で宗教家のNassir Chikhを紹介し、10代の少女を彼の宗教セミナーに参加するように誘う。しかし、Nassirの正体はテロリストであり、混乱しているCélineは彼の組織にとって完璧な道具であった。