『恋人たちの失われた革命』革命の渦中でも外側でも

恋人たちの失われた革命(2005)
LES AMANTS REGULIERS

監督:フィリップ・ガレル
出演:ルイ・ガレル、クロティルド・エスム、モーリス・ガレル、ブリジット・シィetc

評価:80点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

日仏学院メディアテークにてフィリップ・ガレル『恋人たちの失われた革命』があったので借りて観た。フィリップ・ガレルはとっつきにくい印象があったのだが、これは刺さった。

『恋人たちの失われた革命』あらすじ

「白と黒の恋人たち」の名匠フィリップ・ガレル監督が、パリの五月革命を背景に若者たちの情熱や絶望を描き、2005年ベネチア国際映画祭で監督賞を受賞したラブ・ストーリー。1968年、兵役を拒否した20歳の詩人フランソワは、革命に燃えるパリでデモに参加する日々を送っていた。そんなある日、彼は彫刻家志望の女性リリーと出会い恋に落ちるが……。主演は、ガレルの息子で「ドリーマーズ」で注目されたルイ・ガレル。

映画.comより引用

革命の渦中でも外側でも

1960年代末、国際的に学生運動が盛んに行われた。しかし、その熱気は70年代に失われていき白けた空気感が漂っていた。その感触を描いた作品が本作である。ストーリーは今年上映されたアントニオーニ『砂丘』に近く、革命の外側に逃避したもののアンニュイさと漂う死の香りが画面を覆うものとなっている。

映画の前半では革命にフォーカスが当たる。だだっ広い空間で、炎が映し出され、若者たちがイキりながら抗戦する。しかし、静かににじり寄る警察に弾圧されていく。革命の外側にいる主人公は女といちゃつくのだが、仄暗い空間、退屈そうな肉体の交わりが精神を蝕んでいく。革命は永遠に続くかと思われたが、引き伸ばされた時間の中であっさり終わってしまい、革命という熱いイメージは想像をはるかに下回る冷たさでもって主人公にまとわりつく。そして人生は革命後の世界をひたすらに提示していく。

恐らく学生時代に観たらピンと来なかっただろう。大人になって、革命というものを近くに抱きつつも社会に巻き取られてしまい、引き伸ばされた時間の中に沁み込んだ辛酸を舐め続けなければいけない地獄を知る。そうした地獄を知っている者にとって本作は救済の映画となるだろう。