【東京国際映画祭】『パワー・アレイ』バレーボール選手の苦悩

パワー・アレイ(2023)
Power Alley

監督:リラ・ハラ
出演:アヨミ・ドメニカ、ロロ・バルドー、グレイセ・パソーetc

評価:70点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

第36回東京国際映画祭で話題となっていた『パワー・アレイ』を観た。

『パワー・アレイ』あらすじ

選手権の前日に望まない妊娠が発覚した17歳のバレーボール選手が周囲に巻き起こす波紋を描く。多様な人種が入り乱れるブラジルのLGBT社会も活写される。カンヌ映画祭批評家週間で上映。

第36回東京国際映画祭サイトより引用

バレーボール選手の苦悩

本作は望まぬ妊娠を描いた作品。この手の作品はいつも男性側は放置されがちだよなと思う。もうそろそろ、そこに踏み込んだ作品が現れてほしいところである。とはいえ、噂通りパワフルな作品であり、個性的なメンバーが集まるバレーチーム。その中心人物が望まぬ妊娠をしてしまう。ブラジルでは中絶はタブーである。かといって妊娠している者を試合に出すこともできない。運営側との軋轢の末に、試合に出るがそこで思わぬアクシデントが発生する。

この手の作品は主人公の輪郭形成に注力する傾向があるのだが、本作ではバレーチームのメンバーひとりひとりのキャラクター造形が作り込まれていたので意外に感じた。これはユースらしい作品であり、日本公開してほしいものがある。

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※第36回東京国際映画祭サイトより引用