『M3GAN/ミーガン』退屈な子どもをあやす方法とは?

M3GAN/ミーガン(2023)
M3GAN

監督:ジェラルド・ジョンストン
出演:アリソン・ウィリアムズ、ヴァイオレット・マックグロー、ロニー・チェンetc

評価:70点


おはようございます、チェ・ブンブンです。

アメリカではミーガンダンスで盛り上がっていたAIロボットホラー『M3GAN/ミーガン』が日本に上陸した。日本でも宣伝に力を入れており、ミーガンとリバーシ対決ができるアプリを使ったキャンペーンを展開していた。いよいよ日本公開となったので観たのだが、これがよくできていた。

『M3GAN/ミーガン』あらすじ

子どもを守るAI人形が引き起こす惨劇を描いたサイコスリラー。

おもちゃ会社の研究者ジェマは、まるで人間のようなAI人形「M3GAN(ミーガン)」を開発している。ミーガンは子どもにとっては最高の友だち、そして親にとっては最大の協力者となるようプログラムされていた。交通事故で両親を亡くした姪ケイディを引き取ることになったジェマは、あらゆる出来事からケイディを守るようミーガンに指示する。しかし、ミーガンの行き過ぎた愛情は思わぬ事態を招いてしまう。

「ゲット・アウト」のアリソン・ウィリアムズがジェマ、「ブラック・ウィドウ」のバイオレット・マッグロウがケイディを演じた。「ソウ」シリーズのジェームズ・ワンと「パージ」シリーズのジェイソン・ブラムが製作を手がけ、「マリグナント 狂暴な悪夢」のアケラ・クーパーが脚本を担当。

映画.comより引用

退屈な子どもをあやす方法とは?

本作は、子どもにスマートフォンを与えて中毒になってしまう状況を象徴したような作品だと事前に聞いていたのだが、もっと本質的な部分で観ると「子育ての作品」だったと言える。幼稚園〜小学校低学年の子育ては大変だと聞く。それは、言葉を話せ、物心もついているが自分で退屈さを埋めることが難しい時期だからであろう。中学生以降になると、自分の趣味を見つけたり部活に励んだりして退屈さを埋めることはできるが、それ以前となると自分から好きなことを見つけられず、親が常に与えていく必要がある。本作の主人公であるエンジニア・ジェマ(アリソン・ウィリアムズ)はAIおもちゃミーガンの開発に熱心な一方、引き取った姪ケイディ(ヴァイオレット・マックグロー)の退屈さをどのようにして埋めたら良いのか分からない。そうだ、ミーガンを使おうと思いつく。序盤こそは上手くいき、ケイディとミーガンとの間に親密さが生まれる。しかし、ケイディのメンタル面を考慮してミーガンから距離を置こうとする。これが運命の歯車を回すこととなり、ケイディはメンタルを壊していき、ミーガンはそんな彼女を守ろうと殺戮の鬼へ豹変していく。

2020年代アップデート版『チャイルド・プレイ』としてクールに滑稽に血祭りに上げていくミーガンの手捌きに痺れつつ、終盤には思わぬ熱い展開も待っており個人的に満足度が高い作品であった。

※映画.comより画像引用