【MUBI】『アウシュウィツの女囚』暴力は続くよどこまでも

アウシュウィツの女囚(1948)
英題:The Last Stage
原題:Ostatni etap

監督:ワンダ・ヤクボフスカ
出演:ワンダ・バルトヴナ、ユゲット・ファジェ、タチアナ・グレッカ、アントニーナ・ゴルドン・グレッカ、アレクサンドラ・シュロンスカetc

評価:75点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

MUBIで『アウシュウィツの女囚』を見つけたので鑑賞した。予告編を観た感じ『パサジェルカ』さながらの強烈な画だったのだが、本編はそれ以上のパワフルさを持っていた。

『アウシュウィツの女囚』あらすじ

第二次大戦中、ポーランドのアウシュヴィッツには、ナチスのユダヤ人・政治犯収容所があり、ガスによる大量虐殺が行われた。その一角には女子収容所があり、捕虜達は虐殺を待つ間、強制労働に使われていた。一九四三年初春、新たに送り込まれたマルタ(バルバラ・ドラピニュスカ)は、ドイツ語が出来るので通訳にとられたおかげでガス室行をまぬがれ、女医エフゲニア、衛生係アンナ、赤ん坊を軍医に殺されたヘレン(ワンダ・バルトウナ)等と抵抗運動を組織した。ナチスの女収容所長(アレクサンドラ・シュロンスカ)は、ユダヤ人虐殺の意義を強調し、ガス工場を拡張してさらに大量虐殺を命じた。人選が行われ、日々トラックで犠牲者は連れ去れる。マルタを始めアンナ達は、役づきのおかげで生残り、外部から情報を持込み、男達の捕虜と連絡をとるが、或日エフゲニアは視察に来た国際赤十字の視察団に収容所の実状を訴えた為、捕えられて殺された。その代りに来た女医ラルニアは、自分の不正をアンナに見破られたのを怨み、彼女を密告した。しかしドイツ軍は全線で敗退し、犯罪証拠抹殺の為に、更に全捕虜虐殺を計画する。その計画妨害の為、マルタは収容所を脱出して外部と連絡するが、ドイツ軍に捕えられ、絞首台に追いやられた。その時、空をおおってソ連の爆撃機が襲いかかった。

映画.comより引用

暴力は続くよどこまでも

物陰からタイミングを見計らって飛び出す。しかし、すぐに引き返し物陰に戻ってくるが、後ろから親衛隊に捕まり収容所へと送られていく。収容所では膨大な人数が、過酷な強制労働をさせられていた。長時間立たせられる。体力切れで膝から崩れ落ちる者がいると激しく罵倒される。それは老婆でも同様で「この老いた牛め」と罵られる。瓦礫まみれの空間の中、カメラはパンしていく。大勢が巨大な丸い鉄を動かしていたり、レンガのようなものをバケツリレーしている。その中を看守が鋭い目つきで歩き回り、ターゲットにされると暴力の被害に遭う。これを100分延々と描いていくのである。陰惨さの見本市となっている本作はホロコーストの凄惨さを伝える強烈な教科書となっていたのだ。

※IMDbより画像引用