【 #死ぬまでに観たい映画1001本 】『サンタ・バルバラの誓い』十字架の使い道

サンタ・バルバラの誓い(1962)
O PAGADOR DE PROMESSAS

監督:アンセルモ・デュアルテ
出演:レオナルド・ヴィラール、グローリア・メネーゼスetc

評価:65点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

「死ぬまでに観たい映画1001本」掲載の初めてパルム・ドールを制したブラジル映画『サンタ・バルバラの誓い』を観た。前評判で、なんでこれがパルム・ドールなんだという声を聞いていた。確かに『ジャンヌ・ダルク裁判』、『太陽はひとりぼっち』、『皆殺しの天使』を差し置いてこの作品がパルム・ドールを獲るのは疑問であったが、それでもヴィジュアルのインパクトが面白くて嫌いにはなれない作品であった。

『サンタ・バルバラの誓い』あらすじ

焼けつくようなブラジルの太陽の下を、身にあまるような大きな木の手製の十字架を、引きずるように歩いている男があった。彼はゼフェリノ(L・ビラール)という若い農夫で、一緒にいる女は彼の妻である。農夫はかわいがっていたロバが瀕死の重傷を負い、医者も祈祷師も見放した時サンタ・バルバラ寺院に願をかけた。“ロバがなおったら、等身大の十字架を背負って教会まで徒歩でお参りする”と。そして今、その約束を果たすため、サンタ・バルバラの前へ、やっとのことで着いたのである。しかし神父は、十字架をかついで歩くのは、キリストに対する冒涜だと言って、農夫の素朴な願いをききいれない。やがて祭に集まる人々が寺院にやってきた。

映画.comより引用

十字架の使い道

TM NETWORK「GET WILD」が流れてきそうな、業火を背に去っていく男女。男は巨大な十字架を持って前へと進む。この強烈なヴィジュアルにまず圧倒される。十字架を持って教会に向かう夫婦。やがてたどり着くが、神への冒涜だと神父は中に入れてくれない。階段付近に留まる事になるのだが、そこに祭を楽しもうとする連中が現れ騒動へと発展していく。

本作は巨大な十字架の使い方が魅力的な作品だ。大剣のように背負っているのかと思えば、腰掛けのようなものへと早変わり。終盤には堅く閉ざされた門を突破する武器として機能する。全体的に階段付近で停滞しっぱなしの映画なので動きは少ないのだが、ある意味小林正樹『切腹』のような話と割り切れば案外耐えられる。でも、本作がパルム・ドールを獲ったのはやはり疑問が残る。個人的にはルイス・ブニュエルの『皆殺しの天使』に軍配が上がるといった感じだ。

※MUBIより画像引用

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